東京都「広告トラック」規制に歓迎の声多数のワケ 「都外ナンバーは対象外」の抜け穴がふさがれる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
新宿や渋谷など、都内の繁華街を多数走行する「広告トラック」。東京都の規制強化で見えてくることとは?(写真は筆者撮影。写真には加工を加えています)

周囲に大音量を振りまきながら、新宿や渋谷などの繁華街を走行するピンクや蛍光色の「広告トラック」。これらについて東京都が規制を強化する方針を固めた。

これまで、トラックに大型広告を掲示する「広告宣伝車」には、東京屋外広告協会による「デザイン審査」が行われていたが、対象は都内ナンバーの車に限られていた。これを、”都内を走行する全ての車両”に拡大することで、事実上、ド派手な広告トラックは都内を走行できなくなる。「都の屋外広告物条例の施行規則を改正して、これに対応する」(都の担当者)という。

都議会の質疑で出たこの話題を読売新聞が報じると、「広告トラック」が一時Twitterでトレンド入り。SNSやニュースのコメント欄を見る限り、この方向性は消費者からはおおむね歓迎されているようだ。

なぜ、大都市は広告トラックだらけになったのか?

自宅や職場の立地上、日常的に新宿周辺エリアを出歩いているが、1日に何度もホストクラブやキャバクラ店など風俗営業を宣伝する広告トラックを目にする。渋谷や池袋などの、歓楽街を擁する大都市も同様の状況のようだ。

数カ月前、福岡市に行く機会があったが、そこでもホストクラブの広告トラックが目立っていた。広告トラックの氾濫は、もはや東京の大都市だけに限らないようだ。

筆者は2017年から2021年までの4年間、東京から離れていたが、その間に東京は様変わりした。東京オリンピックの開催も後押しとなり、都市開発が急速に進んだことはもちろんだが、コンビニが成人雑誌を置かなくなったり、電車内から週刊誌の中吊り広告が激減したりと、都市の「健全化」も同時に進んできた。

ところが、広告トラックに関しては、トレンドに逆行するような動きが起きていたのだ。そもそも、歓楽街にある風俗店などの看板は、東京五輪の開催決定後も、縮小するどころか、周辺エリアまでどんどん拡張していた。その延長線上に広告トラックの活用があったと考えられる。

次ページ都外ナンバーは対象外、という「抜け穴」が
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事