高市氏、機密情報漏洩の罰則は「懲役10年以下」 機微技術の取り扱いで米国等と水準を合わせる
なぜ必要?セキュリティ・クリアランス制度
また、軌道上に残る不要となった人工衛星などの「宇宙ごみ(スペースデブリ)」の回収について、5月に仙台市で開かれるG7(主要7か国)科学技術相会合で議題とする考えを強調した。
セキュリティ・クリアランス制度に関し、高市氏は「セキュリティ・クリアランスを持った人が機微な情報を流してしまった場合には、特定秘密保護法と同じくらいの10年以下の懲役あたりがマスト(必須)の要件だ」と表明した。
同時に「本人が(資格を)拒否したら調査されないし、(資格を)要らないという人に強制するものではない」とも述べた。また、資格取得者は海外渡航などで一定程度行動制限を余儀なくされることが予想されることを踏まえ、米国の制度なども参考に一定の報酬を付与する必要があるとの見解を示した。
高市氏は、日本の技術者や研究者がセキュリティ・クリアランスを保有していないことで、個人や企業が国際共同開発プロジェクトや先端技術を扱う学会、海外の政府調達などから排除されていると指摘。海外の機微技術を使った自社製品をめぐり海外企業との間でビジネス上の交渉が進まない事例もあるという。
政府のセキュリティ・クリアランス制度に関する有識者会議の座長代理を務める鈴木一人氏(東京大学公共政策大学院教授)は、国際共同開発プロジェクトなどに参加するためには米国など各国が導入しているセキュリティ・クリアランス制度とレベルを合わせる必要があるとの考えを示した。
一方、宇宙ごみ(スペースデブリ)について、高市氏は「自分の国が出したデブリは自分の責任で回収する。日本が先行すると代金をもらって回収に協力できるというひとつの大きなビジネスチャンスだ」と強調し、日本として宇宙ごみの回収を産業化していく考えを明らかにした。