高市氏、機密情報漏洩の罰則は「懲役10年以下」 機微技術の取り扱いで米国等と水準を合わせる

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以下、番組での主なやりとり。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):経済安全保障推進法が2022年5月に成立したが、残された課題としてセキュリティ・クリアランスの問題がある。セキュリティ・クリアランス制度がなぜ今必要なのか。

(画像:FNNプライムオンライン)

技術流出阻止×秘密保持…日本の戦略は

高市早苗氏(経済安保相・宇宙政策相):日本でも政府が調査して適正評価をするという意味でのセキュリティ・クリアランスは、特定秘密保護法にはある。でも、これは外交、防衛、テロ、スパイ行為・諜報活動の4分野に限られている。いま国防と経済の境目が曖昧になってきている。高度なデュアルユース技術は防衛にも、産業にも、私たちの生活に身近なところでも使われている。だから、いわゆるその経済版、産業技術版といったものを考えている。

これ(特定秘密保護法)の技術版がないことで何が起きてるか。防衛装備品とは全然関係のない国際共同開発でも「あなたはセキュリティ・クリアランスを持っているのか」と聞かれる。セキュリティ・クリアランス保有者が会社にいないために長期間、様々な交渉しても結局契約に至らない。自社開発の製品に海外の機微技術を使ったときに自社製品であるにもかかわらず、その海外企業とのやり取りがうまくいかない。

最も気の毒なのは研究者だ。デュアルユースに関する学会に参加しようとしても「クリアランスフォルダー・オンリー」ということでクリアランスを持ってない人は参加できない。最先端の機微技術を学ぶ、研究する機会が奪われている。私の目的はどちらかと言えば、セキュリティ・クリアランスがないがゆえに日本企業が海外の政府調達からはじかれたり、海外の民間企業との取引がうまくいかなかったり、海外の最先端の情報が得られるような学会に技術者、研究者が参加できなかったりといったデメリットをなくそうと取り組んでいく。

松山キャスター:軍事と民生両方に使えるデュアルユース技術でかなり高度な技術、情報が今飛び交っている中で、同じ基準でないとなかなか情報共有ができないという事情があるようだ。鈴木さんは政府が主催するセキュリティ・クリアランス制度に関する有識者会議で座長代理を務めているが、日本はセキュリティ・クリアランスの審査基準を米国と同等のレベルまで引き上げるべきだと考えるか。

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