「ムダに頭を働かされている人」が気づかない真実 「目の前のこと」に集中するために何をすべきか

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行動とその時の感情を一緒にすることは、マインドフルネスと同じ状態ですね。

マインドフルネスや禅は、掃除をすること、料理を作ること、それを味わうことに常にすべてを集中しなさいという教えです。仏教的な思想というのは、そういうことをよくわかっていたわけですね。

チャッターという言葉は、今注目されているものですが、現代風に捉え直したもので、むかしから多くの人の頭の中で起きていたことなのだと思います。

ただ、むかしは、体を動かしていなければ、シビアな状況になりやすかったわけです。田畑を耕して、狩りに出て、その日食べるものを採ってこなければ死んでしまうのですから、頭がお暇になっている余裕もなかったんですね。

野生動物も、獲物を追うか逃げるかという瀬戸際で生きていますから、頭がお暇になっている場合ではありません。そういう意味で、チャッターは、余裕がある社会生活の産物でもあると言えるでしょう。

ムダに頭を働かされている現代人

現代人は、ムダに頭を働かされている状態です。逆の言い方をすれば、社会生活の中では、身体は危機的状況に置かれないということです。

『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

家の中にいて、突然、獣に自分が食べられてしまうということはありません。冷蔵庫を開ければ食べ物がありますから、寝転がってスマホを見ていて餓死するという状況にもなりません。

人間関係で悩むのも、ムダに頭を働かされていることが原因ですね。僕は、好きな人のことだけを考えて、変な人のことなんて忘れればいいじゃないかとずっと言っていますが、それができないのは、頭がお暇になって他のことを気にしてしまうからでしょう。

家庭内暴力や、離れられない関係性で深刻な状況に陥ってしまっている方などもいらっしゃいますが、基本的には、人間なんて1つの大事な関係があればそれで十分ですし、他のことなんてどうでもいいじゃないかと思うのです。

『チャッター』は、悩みの多い人、いろいろ考えてしまうタイプの人、誰が読んでも役に立つ一冊です。医療従事者にとっても面白く読めて、役立つ本ですし、特に、メンタル的なケアをする可能性のある立場の人にはお薦めです。

(構成:泉美木蘭)

Tomy 精神科医

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1978年生まれ。某名門中高一貫校を卒業し、某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。研修医修了後、精神科医局に入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。Twitter「精神科医Tomy@PdoctorTomy」が人気。著書に『精神科医Tomyの心の不安を取り除いて、寝る前に気持ちをスッキリさせる魔法の言葉』(エムディエヌコーポレーション)、『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)、『精神科医Tomyの気にしない力 たいていの心配は的外れよ』(だいわ文庫)、など。

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