地域包括支援センターとは、介護や医療の最初の窓口となる場所で、いわば高齢者の“よろず相談所”のような存在です。高齢者の暮らしを、介護・医療・保険・福祉などの面から総合的にサポートするために設置されていて、市町村が委託する組織、団体によって運営されています。
相談は、もちろん無料。本格的な困りごとがなくても、「とりあえず、どんな場所なのか見てみよう」というぐらいの気軽な訪問の仕方でまったく問題ありません。
地域包括支援センターは、基本的には中学校区域を1単位として配備されているため、ご実家がある市町村の最寄りのセンターを訪ねてください。
実家が遠くても相談可能
遠方に住んでいるなどで直接の訪問が難しい場合は、電話で相談してみるのもOKです。「こんな困りごとや心配ごとが出てきているけれど、離れた場所に住んでいるので、どうすればいいか」と、率直に状況を話してみると、その時々で必要な支援やサービスにつないでくれると思います。
こうした支援やサービスは、介護保険サービスを使うもの以外にもあり、高齢化が進む現在、健康寿命を延ばすための取り組みが、全国的に広がっています。
例えばウォーキングイベントや体操教室、コミュニティーカフェなどがそうで、介護予防や地域の交流を目的とした取り組みは、高齢者が社会とつながるための場として多くの自治体などで始まっています。これらの活用は、自立した生活を少しでも長く継続させることにもつながります。
地域包括支援センターにはこうした情報も集められていますので、お住まいの地域にどんな取り組みがあるのかを知ることができます。
ほかにも、昨今、「介護保険サービスを利用するほどではないけれど、日常生活にちょっとした困りごとが出てきた」という人に向けた、暮らしをサポートするための生活支援サービスもいろいろと登場しています。
例えば食事の支度や掃除、洗濯、ゴミ出し、布団干し、買い物などの家事や、庭の草むしり、墓掃除、通院介助などで、シルバー人材センターや民間の事業者などが提供しています。金額はそれぞれの地域や事業所によって異なるものの、シルバー人材センターでは、30分以内での1作業=500円、60分以内での1作業=1000円として、生活支援サービスを請け負っています。
私にも、足腰が弱ってきた高齢の父親が近くに住んでおり、毎週のゴミ出しが負担になってきているため、こうしたサービスの利用を考え始めています。
ちょっとしたことではあるのですが、父親からすれば、娘には「ゴミ出しを手伝ってほしい」とは頼みづらい親心もあるようで、それを尊重する意味合いでも、サービスに頼る選択も1つかと思っています。
このように「まだ介護保険サービス使うほどではないものの、本人の負担を考えると何らかのサポートがあったほうが安心」という場合には、暮らしをサポートするサービスの利用を考えるのも良いと思います。
介護予防や日常生活支援のための取り組みは、ほかにも見られます。
最後に紹介するリストは、高齢者が自身の生活や健康状態を振り返り、心身の機能で衰えているところがないかチェックするための「基本チェックリスト」(厚生労働省による様式)です。
<基本チェックリストはこちら>
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