「死に目に会う」を重視しすぎる日本人の大誤解 亡くなる時に「一番大切なこと」はほかにある

「死に目に会えない=不幸」という思い込み
現在の日本では、多くの人が「大切な人の『死に目』に会う」ことが大切だと思っています。「大切な人の死に目に会えない」ことは不幸なことなのでしょうか?
実は「思い込み」が、逆に人を不幸にしているのかもしれないと私は感じています。この思い込みのために、ご家族は患者さんから片時も離れずに見守り、息を引き取る瞬間を見届けようと頑張ってしまいます。このために、自宅での看取りはできないと諦めるご家族もいるくらいです。
私は、「亡くなる時に一番大切なのは、その瞬間を見届けることではなく、本人が楽に逝けること」だと思うのです。
このことは講演会や研修などで折りに触れてお話しするのですが、ある講義で、参加していた研修医の目から涙があふれて止まらなかったことがありました。彼女の涙の理由は、講義の感想として次のように記されていました。
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