企業の「アニメ動画」再生回数稼ぐ超絶クオリティ 豪華声優陣を起用、若いZ世代の反応も上々

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「日清焼そばU.F.O.の濃くて旨い味わいを訴求しようと、ユニークな短編アニメが若い世代から熱烈な支持を集めている人気ユーチューブチャンネル『そろ谷のアニメっち』とコラボレーションしました。個性的なキャラクターが、リズミカルな掛け合いを繰り広げ、シュールなやりとりの中にもオチをつける『そろ谷のアニメっち』の世界観はそのままに、製品の魅力を『超濃厚』にアピールしています」(広報担当者)

訴求ターゲットはやはりZ世代。この作品では、動画の倍速視聴が当たり前のZ世代に向けて、15秒CMは、30秒CMをほぼ倍速にしたタイパ抜群の「時短版」として制作したという。

「ネットニュースの記事では、タイパ重視のテレビCMが放映されたことを取り上げていただきました。普段はネット上でしか見られない『そろそろ谷川』さんのアニメを地上波のテレビで見られたことに対するポジティブな反応もいただいています」(広報担当者)

日清焼そばU.F.O.CM「そろ谷U.F.O.食べたやろ篇」
個性的なキャラクターが登場する「食べたやろ篇」(日清提供)

アニメ動画を活用した企業の情報発信は、テレビCMの枠にとどまらず、SNSのさまざまなチャネルを通じての拡散が可能だ。企業がアニメ動画に注目する点について、情報発信に関わるある大手企業関係者はこんな見方をしている。

「有名タレントを起用するCMなどに比べて制作コストが抑えられるだけでなく、コンプライアンスの理由もあるのではないでしょうか。タレントの場合、突発的なスキャンダルが起きれば大きな打撃を受けかねません。その点、アニメはそのリスクが低いし、若者との親和性が高い。企業CMなどの情報発信を企画、制作する世代がアニメで育ってきている点も影響しているかもしれないですね」

テレビ離れをはじめとするライフスタイルの変化に伴い、企業の情報発信スタイルはどんどん変わっていくことになりそうだ。

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログでは、最新の病状などを掲載中。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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