「手や足に症状」沈黙の臓器、肝臓の危険サイン7つ 心当たりがあったら病院へ、放置すると大病に

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『怖いけど面白い予防医学』より
(イラスト:『怖いけど面白い予防医学』より)

肝臓に脂肪が溜まること、一見するとこれは地震などの災害に備えて非常食や飲み物を備えておくように、よい側面だけ切り取れば人間の体の中でも不測の事態に備えた、大変まっとうな機能のように思えます。

しかし、災害時の非常食と違い、「脂肪肝」には大きなデメリットが存在します。それは放置しておくとボヤのような「炎症」が引き起こされることです。この炎症を医学用語で「脂肪肝炎」と呼びます。

『怖いけど面白い予防医学』より
(イラスト:『怖いけど面白い予防医学』より)

脂肪肝は肝臓の「ボヤ騒ぎ」

『怖いけど面白い予防医学 人生100年、「死ぬまで健康」を目指すには?』(世界文化社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

残念ながら、この炎症段階ではとくに知覚できる症状は起きません。そして炎症が肝臓の上で何度も引き起こされると、マルチタスクをこなしてくれていた有能な肝臓の細胞が死滅し、最終的に何度もかきむしった後、硬化した皮膚のような状態になり、肝細胞としての機能を失ってしまいます。これを肝臓の「線維化」と呼びます。

この線維化が進んだ状態が「肝硬変」です。さらに進行すると「肝臓がん」の状態になり、前半で説明した危険な症状が引き起こされるようになります。

つまり脂肪肝の段階のうちに肝臓の「ボヤ騒ぎ」を食い止めてあげることが最も重要となります。

実は、脂肪肝の改善には「減量」が第一です。例えば、自分の体重の10%の減量によって、ほぼすべての脂肪肝、線維化が改善したという論文があります。人間ドックなどで「脂肪肝」と指摘された方は、まずこの「10%ダイエット」を実施するとよいでしょう。

森 勇磨 産業医・内科医

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もり ゆうま / Yuuma Mori

東海高校・神戸大学医学部医学科卒業。研修後、藤田医科大学病院の救急総合内科にて数えきれないほど「病状が悪化し、後悔の念に苦しむ患者や家族」と接する中で、正しい医療情報発信に対する社会課題を痛感する。
2020年2月より「予防医学ch/医師監修」をスタート。株式会社リコーの専属産業医として予防医学の実践を経験後、独立。Preventive Room株式会社を立ち上げ書籍やYouTubeでの情報発信のほかオンライン診療に完全対応した新時代のクリニック「ウチカラクリニック」を開設。著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など。

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