相次ぐ「がん画像検査の見落とし」から身を守る術 滋賀県内の病院で患者2人が死亡、大学病院でも
CT検査でせっかくがんが見つかったのに、主治医にきちんと報告がなされず、適切な治療につながらず患者が死亡してしまう――。そんな深刻な事態がいま、全国の病院で相次いでいる。
なぜ見落としは起こるのか。放射線診断医であり、熊本県で遠隔画像診断サービス会社の代表を務める中山善晴氏に、専門家の立場から話を聞いた。
高島市民病院のCT検査見落としで亡くなった患者は2人。2019年1月に受診した80代男性と、3月に受診した70代男性だ。70代男性が8月、80代男性は11月に再受診した際、CT検査でがんの疑いとされ、以前の見落としが判明した。それぞれ別の病院で治療を受けたが、2人は2020年に亡くなった。
同じようなCT検査の見落としは、2018年にも起こっている。例えば、千葉大学病院で30~80代の患者9人のCT画像診断報告書を医師が見落としたとして、大きく報道された。ここでもがんの診断が遅れ、患者2人が死亡している。
約4年間で32件の見落とし
医療事故等の有害事象を収集分析している公益財団法人日本医療機能評価機構によると、2017年10月~2020年9月に「画像診断報告書の記載内容を見落とした事例」の報告件数は全国で32件あったという。
「これらの見落とし事案は、CT検査で放射線診断医はがんを見つけていたにもかかわらず、主治医が専門領域の疾患の治療に集中していて、その診断報告での専門外領域の報告については確認していなかったことが主な要因と思われます。その後の疾患の経過観察で再びCTを撮ったときに、進行した状態でそのがんが見つかって、報告書の見落としがわかったのでしょう」
と中山氏は言う。
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