医者が教える「本当に注意すべき病気」の優先順位

ジム通いより年1回の高度がん検診を勧める訳

運動はスポーツクラブに通わなくても自宅でできます(写真:Tomoharu photography/PIXTA)
将来にわたって健康でいるために、「病気には気にすべき順位がある」と牧田善二医師は言います。時間もお金も限られている中で何から取り組むべきなのか。新著『医者が教えるあなたの健康が決まる小さな習慣』を上梓した牧田氏が解説します。

誤解しがちな健康診断の結果の意味

会社の健康診断の結果が出ると、たいていこんな会話が交わされます。

「どうしよう。要観察が3つもあった」

「いいじゃないか。俺なんか5つだよ」

周囲の人と比べることで、「自分はまだマシ」と安心したい気持ちがあるのかもしれません。しかし、異常を指摘された項目が3つの人が、5つの人より長生きできる可能性が高いということではありません。

問題はその内容です。病気には、歴然とした順位があります。圧倒的なナンバーワンはがん。日本人の2人に1人が罹り、3人に1人が命を落とすという、最強の病気です。しかも若い人たちをも容赦なく襲います。ただし、同じがんでも重要度は違います。膵臓がんと前立腺がんでは、その予後はまったく変わってきます。

2位は心筋梗塞などの心臓病。肥満大国アメリカでは、がんよりも心臓病による死者が多くなっています。いずれにしても、がんと心臓病は不動のトップ2と言っていいでしょう。

ところが、3位以降はちょっと微妙です。かつて、日本人の死因の3位は脳卒中だったのが、今は肺炎や老衰なども増えています。さらに、QOLを考えたらアルツハイマー病も深刻です。こうした重大な病気と比べたら、尿酸値が高いとか、中性脂肪が高いなどというのは騒ぐに値しません。

物事には優先順位があり、健康維持に関してもすべて同様です。さまざまな検査、必要な治療、体力づくりの運動、いい食事、ストレスを解消してくれる趣味……あなたが、QOLの高い100歳人生をまっとうするために、やるべきことはたくさんあります。でも、その全部を行おうとしたらお金も時間も足りません。ここは、効率的な取捨選択が必要です。

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