人口急増の「流山市」本当に住みやすい街なのか 住民からは学校や地域の「格差」を指摘する声も
「住みやすい街」と注目される一方、冷ややかな声も
千葉県北西部にある流山市。かつては中心街がなく、緑の豊かなベッドタウンだった。
2005年8月に「首都圏最後の大型路線」ともいわれた鉄道「つくばエクスプレス」(TX)が開業。JR線の南流山駅に乗り入れ、「流山おおたかの森駅」(以下「おおたかの森駅」)や「流山セントラルパーク駅」が新設された。
これら3駅の周辺は大きく開発され、特におおたかの森と南流山はマンションの建設ラッシュが続いた。おおたかの森駅には、大型ショッピングセンターができ若い人やファミリー層向けの店が続々と開店。最近ではメディアにひんぱんに取りあげられるようになり、人が集まる街に変容した。
人口は急増し、06年に15万3662人だった市の「常住人口」は22年には20万6137人に(市のHPから)。おおたかの森駅と南流山駅の隣接地に、保育園までバスで子どもたちを送り迎えする「送迎保育ステーション」を設置し、保育園の数も増えたことで「子育てしやすい街」のイメージが広がり、特に30~40代の子育て世代の流入が目立った。
「母になるなら、流山市。」
「都心から一番近い森のまち」
市もPR戦略に力を入れた。
最近でも、流山市の取り組みや井崎義治市長の手腕を称賛する書籍が出版されたり、おおたかの森駅周辺を「千葉のニコタマ(二子玉川)」などと紹介する記事やテレビ番組などもあり、「住みやすい街」として注目されている。
だが……。
街の発展や市の施策を好意的に受け止める住民がいる一方で、地元を歩くと冷ややかな声も聞こえてくる。