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高知東生「父は侠客、母は自死」の凄絶を見つめて 「おふくろを憎んでいた」謎だった自死の理由

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現在、高知さんは依存症の啓発や人が再起していく様子を描く「リカバリーカルチャー」を広める活動を行う。「僕にとって死ぬまでの役割だと思っています」。そう上を向く。

世の中には、自分自身と向き合うことを恐れている人が少なくない。向き合うと、どこかで間違っていたことを認めてしまうかもしれない。

そういう人がいたら、「高知さんはどんな言葉を送るか?」と尋ねると、「あくまで僕のとらえ方だけど」と前置きをしたうえで、こう続ける。

『土竜』(光文社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「自分を愛し直そうぜ――と伝えたいです。もっと自分を大事にしようよって僕は思うんですね。謙虚という言葉がありますが、かつての自分の中では、やたらと頭を下げ、自分を我慢するというイメージがありました。ですが、謙虚というのは、ありのまま自分を正直に出すということを教えてもらって、肩が軽くなった気持ちがしたんですね」

事実は小説よりも奇なり――そんな世界で高知さんは生きてきた。

「いま振り返ると、自分が大嫌いだったし、いつも人の目を気にしてばかりいた。苦しかったですよね。自分を愛し直し、自分を大切にすることができると、目の前にいる人に対しても優しくなれたり、思いやりを持つことができたり、そういった考えが生まれてくると思うんです。自分自身を、自分を応援する親衛隊長にしようぜって」

『土竜』というタイトルは、生涯土の中に埋めておこうと思った話がひょっこり顔を出したからだという。誰しも、恥だと思って隠し続けてきた心の内をさらけ出すのは怖い。だが、さらけ出して初めてわかることもある。

後編に続く

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