トヨタの「キャバリエ」という車名を聞いて、所ジョージが歌う「楽チ~ン!キャバリエ~」「キャバリエな人~」といったCM、そこに登場したハスキー犬のインディくんを思い出す人も多いかもしれない。そんなポップなCMの裏側には、日米貿易摩擦の緩和という使命を背負っていた。今回は、そんなトヨタの絶版車であるキャバリエを振り返っていく。
ゼネラルモーターズ製のキャバリエ
「キャバリエ」は、ゼネラルモーターズ(GM)の小型4ドアセダンである。スポーツカーと大衆車を中心とした銘柄のシボレー製で、初代は1982年に誕生した。
アメリカは、1970年代にあった2度の石油危機で、燃費改善を市場に求められた。1970年代といえば、排出ガス規制の本格的な要求も高まった時代であり、排出ガス浄化と燃費向上の両方を一気に進めることはむずかしかった。そこでGMは、提携関係にあるドイツのオペルや、日本のいすゞと協力して、小型車の開発を行ったのである。それが初代シボレー・キャバリエだ。
それを有効活用するため、GMは、キャデラック「シマロン」、ビュイック「スカイホーク」、オールズモビル「オメガ」、ポンティアック「サンバード」、そして日本ではいすゞ「アスカ」なども生産し、販売された。
のちにトヨタでも販売されるキャバリエは、3代目にあたる。
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