ドイツ車と堂々と渡り合える車が登場
マツダがバブル期に送り込んだ「ユーノス・コスモ」は、圧倒的な製品だった。1990年に高級パーソナルクーペとして発売。パワフルなエンジンと、余裕あるサイズのボディ(全長4815×全幅1795×全高1305mm)。と、さらにぜいたくな内装を特徴とした。
個人的には、ロングフードと小さく見せたキャビンとの組み合わせによるプロポーションが印象的だった。
もうひとつは、Aピラーをいわゆるヒドゥン(隠し)ピラーとした逆カンチレバーというキャビンのデザイン。
一方、リアクオーターピラーはうんと太くしている。「ファミリア」(1989年)や「RX-7」(1991年)など、当時のマツダ系のモデルとも通じるデザインテーマだ。
いっぽう、徒花(あだばな)的なマツダ「ペルソナ」(1898年)の反対をいくデザインともいえる。
ペルソナはスタイリッシュ4ドアハードトップなどとくくられたセンターピラーレスの4ドア車。かなり独自の雰囲気をもつモデルだった。
ところが(個人的意見)、細めのリアクオーターピラーが、繊細というか、少なくとも見た目には頼りない印象を与えていた。
マツダが1989年から展開しはじめた国内5チャネル販売網計画によって誕生したユーノス・ブランドの旗艦として開発されたコスモ。
力強さと、同時に、安心感を与えるグランツアラーである。ドイツ車と堂々と渡り合えると、当時このクルマが発表されたとき、私なんぞは嬉しく思ったほどだ。
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