日本の難民認定率が、わずか0.2%の理由 申請者は10年間で10倍以上に増えるが…

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日本の難民認定制度は厳しすぎる?(写真:fpd2010 / PIXTA)

日本政府に「難民」として認定してもらおうと申請する外国人は年々増えているが、実際に難民認定される人数は多くなく、2014年に認定されたのは11人だった――。そんな事実が、法務省の公表データから明らかになった。

難民認定されず、2014年過去最高に

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法務省入国管理局によれば、2014年の難民認定の「申請者」は5000人(対前年比+1740人)。難民と認定されなかったケースでの「異議申し立て」は2533人(対前年比+125人)だった。

申請と異議申し立ての人数はいずれも、日本で難民認定制度が始まった1982年以降で最多の数字になったという。

しかし、2014年に難民として認定された外国人は11人にすぎず、認定率(対申請者)はわずか0.2%だった。なぜ、このような数字になっているのだろうか。日本の難民認定の現状と問題点について、審査と決定をおこなう法務省入国管理局の担当者に話を聞いた。

日本は1981年に「難民の地位に関する条約」(以下、「難民条約」)に加入し、その翌年、難民認定を始めている。2014年までに日本で認定された「難民」は、累計で633名にのぼる。

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