「"桃鉄"を教育で活用」発案者が語るゲームの凄み 「子どものゲーム」に悩む親に欠けている視点

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正頭英和先生に『桃鉄 教育版』開発までの経緯と、家庭でゲームをうまく使う方法を紹介(写真:講談社提供)
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教育と娯楽を合わせた「エデュテイメント」という言葉が広がりつつある。その1つとして、2023年1月、コナミデジタルエンタテインメントは学校で使えるゲーム『桃太郎電鉄 教育版Lite〜日本っておもしろい!〜』(通称『桃鉄 教育版』)をリリースした。
『桃太郎電鉄』は1988年に第1作が誕生して以来、最新作の販売数が累計350万本を超す大ヒットタイトル。それが学校で使えるようになり、教育関係者の注目を集めている。その開発に携わったのが、2019年度のグローバルティーチャー賞トップ10に選出され、『世界トップティーチャーが教える 子どもの未来が変わる英語の教科書』の著者である正頭英和・立命館小学校教諭。その開発までの経緯と、家庭でゲームをうまく使う方法を聞いた。

『桃鉄 教育版』開発のきっかけ

──先生は、2019年に教育界のノーベル賞といわれる「Global Teacher Prize 2019」で世界のTop10に選出され、話題になりました。

いえいえ、最初は全然話題にならなかったんです。「何かよくわからない賞」と思われたらしく(笑)。このままじゃよくないと思い、自分でメディアに電話しまくったほどです。そうしたら知り合いの紹介で産経新聞の夕刊の一面で取り上げてもらい、そこからテレビやほかの新聞社からの取材が来るようになったんですが、受賞から4、5カ月は経っていましたね。

──今回の『桃鉄 教育版』の開発のきっかけは?

端的に言うと、「メイドインジャパンの教育」を作りたいと思ったからです。よく日本の教育は駄目だって言われるじゃないですか。だけど、そんなことは全然ないと思っているんです。グローバルティーチャー賞のトップ10にノミネートされて、自分以外の9人の世界のベストテンの方の模範授業を見たときにそれを感じました。

もちろん、皆さん紛争地域だとか、屋根もないようなすさまじい環境で授業をやっている方もいて、リスペクトすべき点はありました。でも、技術は日本の先生たちも負けてはいない。日本の先生たちは頑張っているし優秀だな、と思ったんです。

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