「"桃鉄"を教育で活用」発案者が語るゲームの凄み 「子どものゲーム」に悩む親に欠けている視点

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子どもは別にゲームがしたいんじゃなくて、その遊びがしたい、というイメージなんです。

例えば、外に行って、鬼ごっこは嫌だけど、かくれんぼはしたい、というような感じでしょうか。遊びの中でも好き嫌いはあるんです。ということは、僕たちのいうゲームの中にも、子どもたちには好き嫌いがある。そこまで踏み込んでいかないと、子どものことは捉えられないと思っています。

オセロや将棋のような思考系のゲームが好きな子もいれば、パズルみたいな、手元の操作感や音の心地よさを楽しんでいる子もいるという感じで、ゲームの中にもいろいろな種類があります。わが子はいったい何が好きでそれをやっているのか。そこまで解像度を上げて捉えていくことが大切だと思います。

「ゲームは駄目、ボードゲームはOK」に子どもは混乱

──具体的にはどうすればいいでしょうか?

いちばんいいのは一緒にやってみることでしょう。やってみないと、そのゲームの本質がわからないので。表面上は戦っているゲームだけど、その先には戦略を持たないといけないものがあったり、『三国志』のゲームは歴史を知るのにとてもいいんですけど、表面上だけ見てると殺し合いのゲームなわけです。なので、まずは一緒にやってみるのがいちばんいいと思います。

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もし一緒にやる時間がなければ、子どもとのゲームに関する対話の時間をもうちょっと増やす。どういうゲームなの?という説明を聞いてもいいと思いますし、何が楽しいの?って聞くのもいいと思います。何が楽しいの?って聞くと、高圧的になるのが大人の悪い癖ですが、単純に興味を持ちたいという思いを持ちながら聞くのならいいんじゃないかと思います。

もし「うちはこういうゲームはやらせたくない」というのがあるのなら、それはご家庭の教育方針として大切にしたほうがいいと思います。例えば、人を殴る、蹴る、相手を殺して陣地を奪うみたいな、野蛮なものは駄目だという人は、それは駄目だということをちゃんと説明してやめさせればいいと思います。

ゲームだから駄目、ボードゲームだったらOK、などと言うと、子どもの中では整合性が取れません。ボードゲームで相手の領地を奪うのはよくて、コンピューターゲームじゃ駄目なの?ということになりますから。ゲームだから駄目という理由ではなくて、わが家の教育理念と合わないから駄目、ということであれば、そこは筋が通るんじゃないかと思います。

江口 祐子 元AERA with Kids編集長

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えぐち ゆうこ / Yuko Eguchi

編集者。生活実用誌、学習、健康系書籍等を数多く担当後、「AERA with Kids」(朝日新聞出版)の編集に携わる。2018年から編集長を務める。取材した教育者、経営者、起業家等の数は700人以上。2021年に独立し、エディットプラン合同会社を設立。企業のPR活動、出版プロデュースなども行っている。

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