ネイマールに"惚れ"ブラジルに渡った彼のその後 「自分時間」を生きてW杯選手らの語学講師に
「自分の時間を生きる」
鳥取県で生まれ育ったサカモトさんは、県立高校の進学校に一番の成績で合格。周囲からは当然のように「主席で入ったのだから目指すは東大だよね」と言われるなどした。「勉強が苦手ではなくて、たまたまその高校に一番で入ったから、というだけで、そう思われる空気が嫌いでした」。
しかし高2のとき、予備校のイベントで尊敬できる東大生と知り合ったことで、同じ大学で学び、もっとたくさんの人に出会いたくなった。また「日本で一番人口が少ない県で、限られた選択肢でしか将来をイメージできなかったんです。そのため一度、東京に出て視野を広げたいと考えました」。
東京には他にも大学はあるが、経済的な負担を考えると国立大学が良く、入学時に専攻を決めず、リベラルアーツを重視している東大の教育システムに惹かれた。
2004年春、上京して東大へ入学。右も左もわからず始まった大学生活だったものの、小松美彦先生による「科学史」の授業に衝撃を受け、夢中になった。それは充実感に満ちあふれ、学ぶとは何か、生きるとは何かを深く考えさせる授業だった。
東京での目まぐるしい時間の流れに戸惑っていたときのこと。小松先生に「苦しい」と相談すると「君の内側に流れている自分の時間を生きればいい」、「外側を流れる時間からズレていくのは当たり前だから、むしろ苦しみ抜くぐらいでいい」と助言をもらった。
このとき教えられた「自分の時間を生きる大切さ」がその後、サカモトさんの人生を形作っていく。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら