ネイマールに"惚れ"ブラジルに渡った彼のその後 「自分時間」を生きてW杯選手らの語学講師に
ネイマール選手のプレーを見て、人として興味が湧いたから会いに行き、実現した。それはただの偶然やラッキーではなく、サントスのスタジアムでスタッフに声をかけた、あの日の一歩から始まったのは間違いない。
「同じ時代、同じ地球に住んでいるのだから、その気になれば普通に会えると思っていました。それは誰に対しても同じで、その人が気になれば話しかけるし、会いにいく。実はネイマール選手を育てたお父さんにも興味があって、子育てのことなどいろいろ聞いていたから、今もお父さんとのほうが仲がいいぐらい」
ブラジル移住への思いはずっとあったが、4回渡航してトライしたものの、現地で働く術は見つからなかった。だが不思議とサッカーを通じた人との出会いは途切れず、人生はさらに思いもよらない方向へ転がりだす。
サッカー×リベラルアーツの新事業
2017年、サカモトさんはかねてより頭にあった事業を始動させようとしていた。それは海外での活躍を目指す日本人サッカー選手を対象に、語学習得や異文化コミュニケーション力、適応力の向上をサポートする、というもの。具体的には、サッカーとリベラルアーツ教育を掛け合わせた内容で、語学はもちろん、海外の文化や歴史も一緒に学ぶ。選手それぞれの個性や事情は異なるので、完全オーダーメイドでマンツーマンの時間を取る。
現在、「フットリンガル」という屋号で展開しているこの事業。一人目の生徒になったのが、2022年、カタールのワールドカップでも活躍した遠藤航選手だった。
きっかけは、ネイマール選手の来日時に知り合った元日本代表・李忠成選手から遠藤選手を紹介されたこと。当時、遠藤選手は浦和レッズに所属し、海外移籍を目標にしていた。それにしても浦和に住んでいた遠藤選手が、なぜ鳥取のサカモトさんから、わざわざリモートでレッスンを受けようと思ったのだろう。
「一緒に食事をしたとき、李選手が“タカから英語を習ったらいいよ”と言ってくれたんです。遠藤選手が先輩の言葉を信じたこと、そして僕のことを面白がって、やってみようと思ってくれたんじゃないでしょうか」
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