天才と凡人を分けるのは「好奇心の有無」だった うまくいくまで、うまくいっているふりをせよ

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好奇心と天才が結びつく点には、なんら不思議はありません。

量子電磁力学の基礎を築いた天才リチャード・P・ファインマンは、まだMITの学生だったころ、「小便は重力によって体から自然に出る」と主張する友人に対し、逆立ちしても排尿ができることを自ら実践してみせて反論。その後も、研究を進めるかたわらで金庫破りの技術にも興味を持ち、ロスアラモス国立研究所に所属してからは、機密書類が入ったキャビネットを解錠する遊びをくり返しました。

さらに、アートにも関心を寄せたファインマンは、芸術家の友人から毎週のように絵画の手ほどきを受けたほか、趣味で始めたボンゴの演奏もプロ並みの腕前になり、演劇やバレエの公演のために、劇場で演奏することもあったほどです。

晩年、自身の業績について尋ねられたファインマンは、こう答えています。

「ファインマンと聞いて思い出してほしいのは、僕が好奇心いっぱいの人間であったということ、それだけだ」

生涯にわたって“おもしろさ”を追求したファインマンは、心がおもむくままに科学とアートを横断しながら偉大な成果を残しました。まさに好奇心の怪物です。

好奇心のスキルは年収にも影響する

近年は、ビジネスの世界でも好奇心の重要性が叫ばれるようになってきました。

その代表例が、アリゾナ州立大学などが行った調査です。

研究チームは、S&P1500社のデータから約4500人のCEOを選び、全員が関わった役職や産業の数などを調べたうえでふたつのグループに分けました。

①ジェネラリスト:過去に複数の業界や企業にチャレンジしてきたCEO
②スペシャリスト:特定の業界や企業だけで経験を積んできたCEO

その後、全CEOの業績を比較したところ、結果はジェネラリストの勝利でした。スペシャリストに比べて稼ぎが19%も高く、この数字は年収換算で平均約1億2000万円の差となります。

ジェネラリストの圧勝と言っていいでしょう。

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