「予備校の先生には反対されたのですが、この1カ月だけアイドル活動を休んで、すべてを苦手な化学の分析にあてたらいけると思いました。そうしたら本番で全部やったところが出たのです」
こうして片瀬さんは2浪の末、E判定を覆して横浜国立大学の理工学部に合格しました。滑り止めはGMARCHに5学部出して、立教・青学・法政・学習院の4学部に合格。6戦5勝という実に堂々たる成績で受験を終えたのです。
受験とアイドル生活を両立させて難関国立大学の合格を掴んだ片瀬さん。浪人してよかったことを尋ねてみたところ、「精神力がつきました」と語ってくださいました。
「自分で選んだ道なのでつらい日々も我慢して頑張りました。この『嫌なことをやり切る』という経験が、我慢を身につけさせてくれたのです」
また、勉強一本の一般的な受験生をうらやましいと思ったことがないのかを尋ねたところ、「それはありません」と、ニッコリ笑って答えてくださいました。
「私は、ほかの受験生が時間があるからいいなと思ったことはないんです。逆に、アイドル活動があったから頑張れたと思っています。つねに時間を有効に使わなければならないという思いがあったから、生活にメリハリをつけてくれたのです」
過去の不遇をバネにする力を得た
浪人生活で時間の有効活用法を学んだ彼女は、横浜国立大学も4年で卒業して、現在もアイドルとして活動しています。これからも持ち前の愛嬌と根性で、大勢の人々に元気を届けてくれるに違いありません。
「大学生活は周囲が寛容な人が多くてとても楽しかったです。同期にも4浪した人がいましたが、とても優しい方でした(笑)。浪人は『悪』だっていうイメージが強いと思うのですが、実際に経験した人は人間的に大人だなと思うことが多いですし、逆境を乗り越える力があるなと感じました。私も、浪人の経験を通して得た過去の不遇をバネにする力が、今の自分を支えてくれています」
不利な状況も前向きに捉え、チャンスに変えてしまう彼女はまさに、過酷さを表に出さず、ファンに夢を与えるプロのアイドルだと感じました。
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