片瀬さんは、1浪目の失敗を「受験生という意識がなく、1人で独立して生活することに集中していたからです」と反省します。
「1浪のときは親にお金をかけさせるのが迷惑だと思い込み、料金の安い単科コースを受講してしまったんです。代ゼミの正規生は朝から晩まで5~6コマの授業を受ける中、私は1日1コマしか受けず、あとは自習でした。そのため自分で生活サイクルが組み立てられなかったのです。なんとなく勉強してたら受かるという気持ちがずっとあって、どこかで受験を舐めていたんです」
片瀬さんが2浪をして劇的に変わったのはそのマインド面でした。
「人生で初めて大きな挫折を経験して、このままの勉強量じゃダメだと思いました。お金で遠慮している場合じゃないと思いプライドを捨てて、親に『駿台の正規コースに入らせてください』とお願いしたのです。受験勉強に関しても、『なんとなく』で勉強するんじゃなくて、赤本を読み込んで傾向を紙に書き出し、何十年分も分析したり、単語帳を自作して一問一答にしたりして覚えるようになりました。浪人を失敗してはじめて、自分は受験生になれたんです」
こうして、アイドルと受験のどちらも全力投球するという想像を絶する日々が始まります。
泣きながら予備校に通った日々
朝9時前から17時前まで勉強したらすぐに17時からスタートのライブに参加し、18時から23時ごろまである特典会に参加。0時に帰宅してから徹夜で勉強して、3時間程度だけ睡眠をとって、授業に行く生活を毎日送りました。
「当時はとても精神的に疲れていて、朝になると泣きながら予備校に通いました。家でも電車でもずっと泣いていました。授業をひたすら集中して受けたらすぐに電車に飛び乗って新宿か渋谷のライブ会場に向かい、開始5分前に到着してました」
それでも、人の2倍頑張るほど驚異的な勉強量の甲斐もあって、成績はぐんぐん上昇し、マーク模試では8割以上をコンスタントに取れるようになりました。東大の判定もDが出るようになったそうです。
残念ながらセンター試験では前年と同じ7割程度で終わりましたが、彼女はE判定だった横浜国立大学に出願します。それは現役時、1浪時と比較して確かな自信を身につけていたからでした。
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