「浪人しながらアイドル」裏切られた彼女の執念 アイドルの片瀬美月さんに浪人時代の話を聞く

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高校に進学しても、模試の判定は志望する大阪大学でC、神戸大学でBという好成績をキープしていました。

しかし、受験間近に迫った高校3年生の12月、突如自主退学に追い込まれます。皮肉にもそれは、彼女の夢と、それを叶えるための選択が関係していました。

「小さいころから『モーニング娘。』や『AKB48』が好きで、アイドルとして有名になるのが夢でした。そのために3歳から子役をしていて中学受験をきっかけに引退したのですが、どうしてもアイドルになりたくて高3になってから事務所に入り、芸能の世界に戻ったんです。そこでグラビアの仕事を紹介していただいていました」

この選択が学校側の不興を買うことになってしまったのです。

「11月末に友達が学校側にグラビアに出ていることをリークして、呼び出しを受けたんです。先生方からは『我が校の名誉毀損だ』と言われました。私は『校則では禁止されていない!』と主張したのですが、話を聞いてもらえませんでした。『グラビアは悪』という固定観念があり、12月に自主退学を余儀なくされたのです」

この時期に退学した片瀬さんは、高卒認定が受けられず、センター試験(現:共通テスト)も受験できないという問題に直面します。

メンタルはもう限界に達していた

そこからは卒業資格を得られる学校を探したものの、関西では見つからず、唯一受け入れてくれたのが関東にある聖パウロ学園でした。すぐ編入を決めてなんとか受験ができる体制には持っていけたものの、彼女自身のメンタル状態はもう限界でした。

「友達がリークしたという話がずっと頭から離れませんでした。ただでさえ動揺していたのに、すでに出願していたため、受験校を変えられず、関西に戻ってセンター試験を受験したとき、告げ口したと思われる子が話しかけてきたのです。もう取り乱して試験どころではなくて、6割程度の得点しか取れませんでした」

現役時の受験は、同級生と離れるために志望校を関東の名門国立・千葉大に設定しましたが、合格点を大きく下回って落ちてしまいました。

次ページ1浪で全落ち、目の前が真っ暗に
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