元気ホルモン=テストステロン
日曜日の夜6時半といえば? そう答えは「サザエさん」! みなさんも一度は見たことがあるはずです。
サザエさんのマンガの連載がスタートしたのは1949年。今から約70年以上前になります。当時の日本人の寿命は、まだ50歳ぐらいでした。おとうさんの波平さんは54歳で、奥さんのフネさんは52歳という設定。私はてっきり、もっと年上だと思い込んでいました(苦笑)。見た目はいかにもおじいちゃん&おばあちゃんという雰囲気でしたよね。
今ならたとえば、福山雅治さん、郷ひろみさん、石田ゆり子さん、大地真央さんなどが近い年齢ですが、みなさん年齢を感じさせない50代、60代の方ばかり! 私も波平さんの年をいつの間にか越えているのにびっくりします。70代、80代、90代でも若々しい方、たくさんいらっしゃいますよね。
ただし、ただし、です。寿命が延びても女性の閉経が50歳前後というのはエジプトの時代から変わっていません。どんなに生活環境が整い、医療が進化しても、妊娠・出産という命にかかわる激務から女性を解放する神様の采配なのでしょう。卵巣の機能は低下し閉経が訪れます。人間も生き物であることを忘れてはいけません。
そして日本人の平均寿命は、2020年では女性が87.74歳、男性が81.64歳と、いずれも過去最高を更新。先程ご紹介したように、年齢のとらえかたも、重ねかたもすっかり変わってきています。もはや「老化と年齢はシンクロしない」時代。それは医学的にも明らかになっています。若々しさや元気さは年齢では判断できなくなったのです。
泌尿器科医である私は、35年もの間、更年期障害を含めた延べ3万人を超える女性患者さんたちと向き合ってきました。今も、毎日外来で診察を続けています。そこでうかがう心身の不具合のエトセトラは、出産、妊娠、閉経、フェムゾーン(腟と外陰)トラブル、尿漏れ、骨粗鬆症、うつ症状など。それらのすべてに体内の性ホルモン環境が大きくかかわっていると実感してきました。
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