伝聞や憶測、嘘に流される人に決定的に欠ける事 対立を避け対話していく為に事実を確認していこう

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噂 伝聞
もっともらしいふうに聞こえて、誰かが貶めようとしている話かもしれないと、事実を確かめることが大切です(写真:Graphs/PIXTA)

そのうえで、「データは番組内のインタビューだけで、10人にしか聞いていない」「質問の仕方もかたよっている」となれば、このニュースの信ぴょう性は低いと判断できます。そして、「そんな話題をさも正しいかのように取り上げるこの番組は、見なくていい」と判断できるようになるのです。

「ファクトチェック」で絶対欠かせない3つの視点

ここであらためて、ファクトチェックのための3つの視点を整理します。

① 情報の目的(なぜ、この情報が作られたのか)
悪口を言っている友達がいたら、「この人は、あの人のことをみんなに悪く思わせたいからじゃないだろうか」などと情報の目的を想像してみる

② 情報の出どころ(どこで見て、聞いた情報か)
悪口を言っている友達がいたら、「なんでそうわかったの?」と掘り下げてみる。誰が見たの? 誰から聞いたの? それはいつ? などと聞くことで、事実をチェックすることができる

③ 情報の具体性(5W1Hでチェックする)
人の悪口を言っている友達がいたら、「具体的になにがあったの?」など、話の具体性をチェックすることで、状況や背景、具体的に起こっている問題の程度など、情報の精度がわかる

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この3つの視点を持っていると、日常の会話でも「それって本当?」「実際はわからなくない?」といった言葉がサラッと言えるようになります。

相手にかんたんに同調しないことで離れていく人もいるかもしれませんが、気にしないことです。そして、情報をしっかりと吟味できる人間は、対話の能力も磨かれていきます。

たとえば、「いつ、どこで、どんなシチュエーションで、殴ったのはグーで? パーで? 何発殴ったの? 強さは? 思い切り? 軽く?」などと、みんなが細かくファクトチェックできるようになるだけで、嫌がらせやいじめの問題はかなり減るはずです。

ファクトチェックは、君自身が世の中で幸せに生きていくためにも、社会をより良く変えていくためにもとても重要なスキルです。

工藤 勇一 横浜創英中学・高等学校校長

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くどう ゆういち / Yuichi Kudo

横浜創英中学・高等学校校長。1960年山形県生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長などを経て、2014年から千代田区立麹町中学校長として宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止などの教育改革を実行。2020年より現職。教育再生実行会議委員、内閣府 規制改革推進会議専門委員、経済産業省 産業構造審議会臨時委員など、公職を歴任。著書多数。

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