相手の感情をムダに刺激しないためには、人の気持ちを逆なでしない言葉を使うことが大切。相手の意見に対して「いったん受け入れましたよ」と意思表示することを覚えていきます。
そのうえで「でも、考えの対立は残っているから、そこを話し合っていこう」と感情を切り離すこともできるようになります。
つまり、理性で目標に向かう方法を対話で見つけられるようになるのです。
自分を知り、相手を知ること。そして人間を知ること。
そのうえで、「全員がOK」になる最上位の目標に向けてどう行動していくかの対話を続けること。その繰り返しが、さまざまなトラブルを解決してくれます。それは友達どうしの言い合いでも、国どうしのもめごとでも変わりません。
そうです。対話のスキルを磨くことは、大げさじゃなく「世界平和」につながっていくのです。
日頃、世界平和を唱えている人間が身近な人と感情むき出しで戦っているとしたら、それは矛盾していると僕には思えます。
話を戻すと、いま人類は社会がこのまま続いていけるのか、そうではないのか、対話を通じて文字通りがけっぷちの挑戦をしています。多くの専門家は、「2030年が1つの分かれ道になる」と見ています。
僕は、「平和で持続可能な世界を実現できるかどうかは、世界中の学校がどんな学校になるかで決まる」と思っています。学校教育を変えることができれば、世界は変わることができます。
対話とは、対立を避けて当たりさわりのないやり取りをすることではありません。思いやりの心さえあれば、対立を一気に解決できるものでもありません。対立を恐れず、理性と感情を切り離し、お互いの理性を信じて「お互いがOKな状態」にものごとを導くことです。
対話のスキルを学んだ生徒が1人、また1人と増えていくことで、社会は持続可能な方向に向かっていきます。
その情報、ちゃんと疑ってる?
ここで、対話を進めていくうえで日頃から心がけておくべき大切なスキルについてお話ししておきたいと思います。
それは、情報のファクトチェックの方法です。
ファクトチェックとは、事実(ファクト)なのかどうかを確かめること。
先ほどのやり方で対話を進めていくことができるようになったとしても、そもそもその話の根拠となる情報が間違っていては、上位の目標にたどり着くことはできません。
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