伝聞や憶測、嘘に流される人に決定的に欠ける事 対立を避け対話していく為に事実を確認していこう

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また、対話に加わっている人たちが伝聞や憶測で話していると、おかしな決断を下してしまう可能性が高まります。

流れてきた情報は事実か、伝聞か、憶測か、デマか、それともウソか。

自分でファクトチェックする力は、君がこれからの時代を生きていくうえで、とても重要なスキルになります。

フィンランドの教育現場では、先生も子どもたちも「ミクシィ?(なぜ? なんで?)」という言葉をひんぱんに使うそうです。

先生がなにかを言うと、子どもたちは「それはなぜ?」と聞く。

先生も子どもの意見に対して、「ミクシィ?」と問いかける。

このやりとりを通じて、子どもたちは「相手の言うことが事実かどうか」を考えていく習慣が身についていくわけです。

自分で調べ、確認するまでは疑い、調べる

あの人の言っていることは、本当だろうか?

この本に書かれていることは、合っているんだろうか?

このネットニュースは、もしかしてウソなんじゃないか?

自分で調べ、確認するまではかんたんに納得せず、疑い、調べること。

世の中に氾濫(はんらん)している情報ははたして事実なのか、伝聞なのか、推論なのか、デマなのか……。そういう視点で向き合っていきましょう。

自分の得た情報が事実かどうかを本気で考える習慣を持ち、調べることがとても大切です。

僕が日頃から意識しているファクトチェックの方法は、おもに次の3つです。

① 情報の目的(なぜ、この情報が作られたのか)
② 情報の出どころ(どこで見て、どこで聞いた情報か)
③ 情報の具体性(5W1Hでチェックする)

この3つの視点は、ニュースサイトやテレビで目にするニュースのファクトチェックにも使えますし、友達どうしのウワサ話を聞いたときにも役立ちます。ぜひ、日頃から意識して身につけてください。

「この情報、かたよってる」と感じたら要注意

たとえば、君がCさんから「今日、AくんがBくんに殴(なぐ)られていた。AくんはいつもBくんから嫌がらせを受けていたよ」と聞いたとします。

この言葉から、君はAくんとBくんの関係をどう考えますか?

また、Aくんの状況をどう感じますか?

Cさんの情報を素直に受けとれば、「Bくんが悪い」と考えますよね。

次ページファクトチェックの3つの視点から見ていくと?
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