素人がプロになる為「1万時間が必要」の深い意味 基本的に頑張れない生き物の僕たちが変わるには

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時計 女性
「最初の1秒」から始まるのです(写真:IYO/PIXTA)
勉強、学び、受験、学校、社会、人間関係……。
先の見えない時代、そして正解のない時代を、若者はどう生きていくべきか。
そして親は、子どもをどう見守っていくべきか。
今ほど「少年期の人生戦略」が求められている時代はありません。
校長として40年間時代の先頭に立ち、子どもたちが自由に生きていくための学校改革を行ってきたカリスマ校長・工藤勇一氏が、初めて子どもたちに向けて書いた人生戦略の書『考える。動く。自由になる。』から一部抜粋、再構成してお届けします。

10年、1万時間を費やして「プロ」になる

1つのことの「プロ」になるために必要な時間を調べた、マルコム・グラッドウェルというカナダ人のジャーナリストがいます。

彼が書いた『天才! 成功する人々の法則』(講談社)という本によると、一流のミュージシャンやアスリート、技術者たちは専門性を高めるために1万時間を練習や訓練に費やしていたそうです。

「1万時間」と聞いて、どのくらいの長さか、すぐに想像がつきますか?

たとえば、君が多くの人に感動を与えるカッコいいギタリストになりたいと思っているとしましょう。

1年間、毎日3時間ギターの練習をしたとして、1年間の練習時間は3×365=1095時間。つまり、1万時間には約10年かかる計算です(厳密には9年と49日)。

「1日3時間 × 365日 × 10年 =1万950時間』

15歳の君にとって、10年はとてつもなく長い時間に感じられるかもしれません。15歳から努力を始めたとして、プロとして人をうならせるギタリストになるには、25歳まで毎日練習する必要があるわけですからね。

でも、25歳から先の人生ではずっと、君のギターの奏でる音がたくさんの人の心を揺り動かすと想像したら、どうでしょう。

なんだかワクワクしてきませんか?

僕たちは基本的にがんばれない生き物。でも、なりたい自分を想像して、そんな自分にたどり着くための「しくみ」を作り、行動を積み重ねていくことで、僕たちはどんな自分にだってなることができます。

それは、何歳からでも起こせる変化です。

1万時間の法則も、「こうなりたい」と思った自分に向けて行動し始めた「最初の1秒」から始まるんです。

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