初心者プログラマーが飛躍的に上達できたコツ スクール通いでも独学でも道は切り開ける
業種を問わずデジタル化をどう進めるかが企業の共通課題となっている今、注目を集めているのが「プログラミング学習」だ。
『週刊東洋経済』(1月14日発売号)では「今年こそ始めるプログラミング」を特集。その基礎知識を徹底解説している。
プログラミングは無数の文字列(コード)やルールによって成り立ち、入門者にとって学習の道のりは平坦ではない。「素人がプログラミングに挑んでみて見えた境地」(2020年1月16日配信)では、初心者がぶつかりやすい“挫折の壁”をいかに避けるかについて、オンラインスクールの活用法などを紹介したが、本稿では実践者の事例を基に、別の道筋を紹介したい。
「同じ思いを抱ける人と一緒にサービスを作ることが、プログラミング上達の近道」。そう語るのは、新宿歌舞伎町にある大手コンビニエンスストアチェーンのオーナー兼店長である今宮大介さん(40歳)。記者が通うスクール「ジーズアカデミー」の卒業生である。プログラミング学習を始めたきっかけは、コンビニ店舗の深刻な人手不足だった。
やり方を変えないと生き残れない
今宮さんは大学卒業後、会社員を経て、30歳のときに実家のコンビニ店を継いだ。ここ数年で人手不足の深刻さが顕著になったと話す。「5年以上前は新店開業後にスタッフを募集すると20〜30人は集まったが、今は日本語を話せない外国人が5~6人応募してくる程度。この3、4年間で状況ががらりと変わった。売り上げは頭打ちの一方、人件費は右肩上がり。これはやり方を変えないと生き残れないと感じた」(今宮さん)。
知人に相談すると、「Webサービスを作って問題解決を試みては」と提案された。聞くとパソコンやスマートフォン上で動くアプリの開発は数万円でできるという。「コンビニは1店開業するのに、銀行から数千万円の融資を受ける。かかる金額の違いに驚いた」(今宮さん)。
やるからには自分の手でサービスを作りたいと考え、前述のスクールに入学。毎晩コンビニでの勤務後、店舗奥の事務室でプログラミング学習のためにコードをたたいた。しかしコンピューターはコードのスペルを1字間違えるだけで動かない。想像以上の難しさに戸惑った。自身の学習スピードに限界を感じた今宮さんが決断したのは、「1人だけでサービスを作ることを諦める」ことだった。
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