初心者プログラマーが飛躍的に上達できたコツ スクール通いでも独学でも道は切り開ける
もともと実現したいことは明確だった。コンビニの人材不足を解消するアプリを作りたい。そのサービスを、できれば同じ課題を抱える別のコンビニオーナーにも広めたい――。希望をかなえるため、今宮さんは同じスクールで、自分よりプログラミングに詳しい受講生数人に「一緒に作ろう」と声をかけた。
そろったのは計5人のメンバー。役割を分担し、今宮さんはサービス全体の企画と、主にユーザーが直接動かす画面の開発を手掛けることになった。その部分を作るために「詳しいメンバーに言われるがまま勉強した」(同)。身近な学習経験者に疑問点を聞き、教わることで、徐々にコードを書くのにも慣れ、行き詰まる場面が減っていったという。
開発しているのは、LINEを利用した主にコンビニ勤務経験者の求人サービスだ。コンビニ以外の店舗でも使えるサービスで、すでに大手流通チェーンとの提携も決まった。「アプリ開発で重要なのは、プログラミングのスキルはもとより、仕事の現場での切実な課題認識。人材不足で疲弊している全国のコンビニオーナーにも使ってもらえるサービスを目指したい」(今宮さん)と話す。
学習の時間帯と場所を習慣づける
今宮さんと同じスクールに通い、同様に実現したい明確なサービス像を持つのが加納文子さん(49歳)。靴やアパレルのメーカーで企画やデザインの経験を重ね、「景気がずっと悪い靴業界を何とか盛り上げたい」と考えるようになった。
狙うのは「靴のシェアリングサービス」。ユーザーの足の形状に合う靴を、全国で廃棄処分される予定の大量の靴データから探し出し、マッチングして届けるサービスだ。その実現にはデジタルの力が不可欠と考え、プログラミング学習を開始した。
最初に苦労したのが、Webサービスに文字を表示する「HTML」と、画面の見映えを整える「CSS」という言語。習ったとおりにコードを打ち込んでも、思うような画面を表示させられず、「ホームページを作るのにこんなに手間がかかるのかと実感した」(加納さん)。コードを書くたびに疑問が増え、とても1人では解決できない。そこで決めたのが、授業がなくてもなるべく毎日約3時間、決まった時間帯にスクールに通うことだった。
加納さんは小学6年生の息子と夫と家で夕食を済ませると、ほぼ毎晩22時から夜中の1時までスクールで過ごした。自転車で通える距離にあるため、終電を気にする必要はない。スクールであれば、その場にいる卒業生や受講生に疑問点をたずねやすい。
「自分で考え、コードを打っても、どうしても行き詰まる場面がある。そういうときは、相談できる環境に身を置くことで解決しやすい」(加納さん)。「“考えるより慣れろ”がモットー」と話す加納さんは、意識的に学習がはかどる環境に身を置くことで、サービス開発に向けた準備を進めている。
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