でも、ファクトチェックの3つの視点から見ていくと、「今日、AくんがBくんに殴られていた。AくんはいつもBくんから嫌がらせを受けている」から、第一印象とは異なる関係性が浮かんでくるかもしれない。
Cさんはどうして、この情報を君に話したのだろう?
Cさんはどこで、AくんとBくんの関係を知ったのだろう?
Cさんが見たのは、具体的にどんな場面だったのだろう?
僕なら、Cさんの話を聞いたとき、こんなことを質問します。
「そうなんだ。Cさんは、直接それを見たの? それとも誰かから聞いたの?」
「B君は、A君をどんなふうに殴ったの?」
「A君は、B君からどんな嫌がらせを受けていたの?」
この情報には、特に「具体性」が欠けています。
たとえば、「A君がB君に殴られていた」といっても、「日頃からグーで殴られていた」のか、「肩をこづかれていた」くらいなのか。
もしかすると、CさんがB君を嫌っていて、B君の評判を落とすためにウソをついている可能性だってあります。
情報の解像度を高くしないと信ぴょう性が明らかにならない
つまり、いつ、どこで、誰が、誰に、どのように……の5W1Hで掘り下げ、情報の解像度を高くしないと、話の信ぴょう性が明らかにならないのです。
この確認方法は、ほかの情報にも応用できます。
テレビのニュースで、ある統計データをもとに「最近の若者には欲がない」という話題が取り上げられたとしましょう。
君は、どこからチェックしますか?
僕はまず、統計データがどのようなものかをチェックします。
どこで行われた調査か、対象人数は何人か、対象者はどのように選ばれたのか、どんな質問で「欲」を測ったのか。そういうことを常に頭の中で想像していきましょう。
すると、「午前中の情報番組の視聴者は『最近の若者は……』と言いたい高齢者が多いから、こういう話題は視聴率が取れるのかもしれない」など、別の理由が見えてきます。
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