「インド留学」日本人学生にとって3つのメリット 最難関インド工科大学ハイデラバード校を視察

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入試倍率50倍以上のインド工科大学ハイデラバード校(IITH)のシンボルである学生寮、スチューデントホステル(写真:IITH)
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2023年は世界でのインドの存在感が増す年となりそうです。国連の予測によれば、インドの人口は14億1200万人(2022年)。中国の人口が14億1175万人(2022年末、中国国家統計局)ということなので、すでに中国を抜き人口世界一になっているもようです。経済においても2027年にはGDP(国内総生産)で日本を抜き世界3位となる予測で、今世界が最も注目する国の一つといえるでしょう。

その経済を支える教育の面でもインドはその可能性の高さを指摘されてきました。グーグルのCEOサンダー・ピチャイ氏や、マイクロソフトCEOサティア・ナデラ氏など現在グローバル企業のリーダーとして活躍している人はインドの大学卒業者が多くいるからです。

中でも最高峰の技術者を輩出し続ける最難関大学、インド工科大学 (Indian Institute of Technology 通称:IIT) は、シリコンバレーのIT企業をはじめとする世界の産業界から熱い視線を集めています。この世界的な人材争奪戦に日本の企業も加わり、近年メルカリが多くのIIT卒業生を採用して話題になりました。

ただこれだけ注目を集めているインドの大学にもかかわらず、日本からの留学に関しては他の国に比べて圧倒的に少ないのが現状です。

果たしてインドへの留学はこのまま派遣先の選択肢に入れないままでいいのか、日本人学生にとってのメリットはどの程度あるのか、懸念される安全性のリアルはどうなのか。

今回はインド工科大学を訪問、これからのインド留学の可能性について探ります。

日本からインド、インドから日本の留学の現状は

まず、日本からインドへ渡航した留学生の数の推移をみてみましょう。

インドへの日本人留学生数は、コロナ前の2019年で717名。同年のアジアの数字を見ると、韓国7235名、中国6184名、タイ5032名、フィリピン4575名、マレーシア3461名とインドはかなり少ないことがわかります。ご参考までに、インドから日本に来ている留学生は、同年の数字で1869名(国費・私費合計)と、文部科学省のインド太平洋地域に対する取り組み等もあり、日本での受け入れのほうが多いのが現状です。

2011(H23)年度~2020(R2)年度 日本人学生留学状況(インドへの留学)(日本学生支援機構「留学生調査」より)
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