「インド留学」日本人学生にとって3つのメリット 最難関インド工科大学ハイデラバード校を視察

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近年では「ジュガール・イノベーション」として海外からも知られています。物があふれ、豊かさと便利さの中で生きることが当然と感じ、限界を作ってしまいがちな日本人にとって、この「無限に広がる可能性を追求する思考法=ジュガール」が、新たな時代のイノベーションを創出していくでしょう。

企業がグローバル人材として求める要素として「問題解決能力」がいわれていますが、ジュガール精神を学べることは、大きなメリットとなりそうです。

日本の産業界においても重要な相手国の一つ

そして最後は、日本とインドの架け橋となれる点です。言うまでもなく日本は少子高齢化で労働人口も減少する一方、インドは平均年齢が27.9歳(2022年)でさらなる経済成長が見込まれています。日本の産業界においても最も重要な相手国の一つであり、もしインドに留学した経験があれば、インドの習慣を知る日本人として重要な役割を果たすことができるでしょう。

実際に大学時代にIITに留学をした方にも話を聞きました。

大学・大学院時代にそれぞれIITHに短期での留学経験(1回目:産学国際協働PBL、2回目:インド研究派遣プログラム)のある植月悠記氏は、現在インドと日本の架け橋として仕事をされている一人です。植月氏は次のように話します。

「留学を通してIITの学生と一緒に社会課題を解決したり、技術開発をしたりしていくことは自身の仕事や人生にとって非常に有益だと思います。また留学をキッカケにして私にも多くのIITの友人ができましたが、彼らと人的なネットワークを持つことでその後きっとどこかでつながると確信しています。インドへ留学に行くことで得られる全体的なメリットは非常に大きいと実感しています」

またIITグワーハーティ校に日本の大学とのジョイント・ディグリープログラムで5カ月間の留学を経験されたH.Oさん(社会人・女性)も日本の学生や社会人にインドで過ごすことをお勧めしたいと言います。

「インドに留学して一番よかったのは、成長著しいインドで自分がインドをよりよくしたい、たくさん稼ぎたいなど大きな夢をもってエネルギーで満ちあふれた学生と一緒に学べたことでした。また環境問題や貧困問題、格差問題などあらゆる社会課題を生活の中で目の当たりにしたのもほかの国では得られない経験だったと思います」

また彼女は治安や生活に関しては、次のように話してくれました。

「セキュリティ面については学内の寮で生活をするので、非常に整っており安心して暮らせました。生活面においては、シャワーは水しか出ない、食べ物はすべてスパイス入りなど日本の生活とは大きく違うので、日本での暮らしのようにはいかないですが、慣れれば意外と苦にはなりませんでした」

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