2つめの「いざというときのための蓄えを持っておく」について説明します。会社を辞めてから転職するまでには、ある程度の期間が必要な場合があります。転職することで、給料が下がることもあるでしょう。こういったときに蓄えがないと、そのことがネックとなり、転職するという決断が鈍るおそれがあるのです。
その意味では、金銭的にも、また行動範囲的にもあなたを束縛する住宅購入は、控えたほうがいいでしょう。頭金などは、絶好の自己投資資金です。
また、すでに家を購入している人も、ローンの早期返済はやめるべきです。今のような低金利時代、そのおカネは自分のスキルに投資したほうが、はるかに大きなリターンが期待できるというものです。住宅ローン金利の1%や2%のリターンさえも取れないような自分なのでしょうか? それは自虐的にすぎるというものです。
会社を「見限っている」人のほうが出世するという逆説
さて、ここまで書いてきたように、会社は本当の意味では社員を大切にしないことを理解し、エグジットオプションを採れるような自己投資を続け、いざというときの安心を保証する蓄えもある人。
彼らは、どんな働き方をすると思いますか?
会社に依存する気持ちがありませんから、会社に妙な期待を抱くことはなく、比較的ストレスが少なく働けます。転職力を身に付ける自己投資を続ければ、当然ですが今の仕事にもプラスなはずです。「いつでも辞められる」と思っていれば、変に上司に媚びることなく、正しいことを正しいと主張できるでしょう。
おわかりいただけますか? これこそが「仕事ができる人」であり、出世できる人材なのです。こんな優秀な人材を、上層部が放っておくはずがありません。
逆説的ですが、ある意味で会社を「見限っている」人のほうが、結果的に出世していくのです。皆さんもぜひ、会社とは適度な距離を保って、働いてほしいと思います。
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