世界初「感情可視化ツール」開発の意外なきっかけ 「人の気持ちが分からな過ぎた」技術者の想い

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例えば、従来のCM評価では、まず30本くらいのCMを見てもらい、あとから印象に残ったものをアンケートで聞いていました。でも、そんなのなかなか覚えていられないじゃないですか。

でも、感性アナライザを使えば、リアルタイムに脳波を見ながら興味関心を計ることができます。これまで定性的にしかできなかった調査を、定量的に行うことができるのです。

脳波はうそをつけない

なにせ脳波はうそをつけません。被験者が口では「面白いですね」と言いながらも、脳波のデータを見ると「全く興味を示していない」という結果が出ることはよくあります。

現在、感性アナライザは法人利用のみですが、近い未来に個人への展開も考えているので、個人が自分の感情、つまり「本音」を把握できる未来も近いです。

すると、何が起こるか。例えば、「嫌だ」と思った瞬間が分かります。自分の視線を追うアイカメラと感性アナライザを一緒に装着することで、自分が日々どんなものにストレスを感じているかが分かる。

ストレスが一定の数値を超えると自動的に録画する機能も搭載しているので、「これが自分にとってストレス」というものをデータから確認することが可能です。

現段階では脳波計を頭に装着する必要がありますが、もっと簡単なセンサーを使ったアナライザを開発しています。

これが一般に広まれば、自分のストレス状態も可視化されて分かるようになり、うつ病などメンタルヘルス系の病気のリスクは激減するでしょう。

エンジニアの皆さんの中にも、「まだ頑張れる」「もっと頑張るべき」という考えで、自分の本音にふたをしてしまう人がいるのでは?

人はつい自分の本当の感情を無視してしまうので、「こんなにストレスがあって大丈夫か?」と気付けるようにしたいと思っています。

「今の自分はこんなに疲れているんだから、もう休まなきゃ駄目なんだ」とか、「今日はめちゃくちゃハッピーだから、ガソリン満タンだな」とか、一目で分かるのは単純に面白いですよ。

次ページありのままを貫けば面白い技術が生まれる
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