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3月の工作機械受注は1511億円、30カ月ぶりの1500億円台乗せ。稲葉善治会長「設備投資が”様子見”になることを心配している」

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4月24日に開催された日本工作機械工業会(日工会)月例記者会見の模様。写真中央が稲葉善治会長(記者撮影)
工作機械は主に金属を切削、研削し、部品や金型を加工する機械のこと。さまざまな機械がこの工作機械で加工された部品や金型を使っていることから、「機械を作る機械」「マザーマシン」といわれる。
工作機械の販売先の多くはメーカーだ。注文(受注)が増えるということは更新需要もあるが、「生産を増やす予定がある」「設備投資の意欲がある」メーカーが増えているということになる。
景気が上向けば、製造業の設備投資の意欲は高まる。つまり工作機械の受注状況は、景気の先行きを知る手がかりとなる。工作機械の業界団体である日本工作機械工業会(日工会)では、毎月、会員企業から受注状況を集計し、月次で速報と確報を発表している。実際、この受注状況は「景気の先行指標」ともいわれ、市場関係者の注目度も高い。
確報発表時には定例会見が開かれ、数字だけでなく、背景など定性的な話も出る。今回は4月24日発表の2025年3月分の受注統計(確報)と、同日に行われた稲葉善治日工会会長(ファナック会長)らが登壇する定例会見・質疑応答の模様をお伝えする。

30カ月ぶりに1500億円台に乗せる

外需を中心に高い伸びを示した3月の工作機械受注だった。

受注総額は1511.0億円で、前月比プラス27.8%、前年同月比プラス11.4%という数字に。前年同月比は6カ月連続のプラスになった。2022年9月以来、30カ月ぶりに1500億円を超えた。要因は年度末による受注押し上げ効果もあるが、インドや中国など外需が貢献している。

内需は492.6億円。前月比はプラス45.9%だったが、前年同月比は0.0%と横ばいだった。受注額が400億円を超えるのは6カ月ぶり。業種別でも過去1年間で1番または2番目の受注額になっている。

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