工作機械は主に金属を切削、研削し、部品や金型を加工する機械のこと。さまざまな機械がこの工作機械で加工された部品や金型を使っていることから、「機械を作る機械」「マザーマシン」といわれる。
工作機械の販売先の多くはメーカーだ。注文(受注)が増えるということは更新需要もあるが、「生産を増やす予定がある」「設備投資の意欲がある」メーカーが増えているということになる。
景気が上向けば、製造業の設備投資の意欲は高まる。つまり工作機械の受注状況は、景気の先行きを知る手がかりとなる。工作機械の業界団体である日本工作機械工業会(日工会)では、毎月、会員企業から受注状況を集計し、月次で速報と確報を発表している。実際、この受注状況は「景気の先行指標」ともいわれ、市場関係者の注目度も高い。
確報発表時には定例会見が開かれ、数字だけでなく、背景など定性的な話も出る。今回は8月22日発表の2024年7月分の受注統計(確報)と、同日に行われた稲葉善治日工会会長(ファナック会長)らが登壇する定例会見・質疑応答の模様をお伝えする。
2024年7月の工作機械の受注総額は1239.4億円。前月比マイナス7.4%、前年同月比でプラス8.4という結果になった。3カ月ぶりに前月比マイナスだが、前年同期比は3カ月連続で増加、さらに5カ月連続で1200億円を超えている。
この結果に対して稲葉会長は「夏枯れが始まる季節としては底堅い状況」と述べた。
内需の低迷なお続く
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