芸人とラッパーが「選挙」で見た"政治家の裏の顔" 「劇場版センキョナンデス」が映す政治の世界

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――「香川1区」では、四国新聞とのやりとりも面白かったです。

小川淳也氏が衆院選の直前に、維新の新人候補に立候補の取り下げを求める電話をかけていたという記事が四国新聞に大きく掲載された。しかし何故か、小川氏には四国新聞からの取材はなかったという。他紙では、小川氏の回答と維新候補の証言として、自民党からも同様のもちかけがあったという記事が。新聞を読み合わせていた鹿島さんは、こう考えた。選挙直前の重要局面の報道で当事者に取材しないで書くというのは「新聞」としてありえないことではないのか?当選に沸く小川事務所に居合わせた四国新聞の記者を見つけた2人は、質問攻勢をかけた。返答を避けつづけた年配記者から、会社に来てもらえたら質問に応じると言質を得て、翌日、ダースレイダー氏とプチ鹿島氏は四国新聞社を訪れた。※四国新聞は、地元紙としてシェア6割を誇る。社主は平井卓也氏の母、同社代表取締役は弟。

ダースレイダー:投開票日にはまず平井さんの事務所に行き、そのあと小川事務所に行ったんですね。そこで鹿島さんが四国新聞の記者を見つけ、近づいていくと、記者さんがヒューっと離れていくんですよね。

プチ鹿島:これはかなり意識しているなあと思いました。

ダースレイダー:近づくと、離れる。また近寄る。そうやって事務所の中を一周するタイミングで、サッカーのディフェンスでいう、身体を入れるという動きで、僕が横に動いて捕獲し、鹿島さんが話しかけた。

新聞社に行ったのに「質問はFAXで」

大島:僕もあの場にいて、2人が何かやっているなと思っていたんだけど、翌日、高松であった配信イベントに呼ばれて、そのときの映像を見て、これはもうマイケル・ムーアだと。それで、翌日(四国新聞を訪れたら)総務の人が、いま社内に答えられる人は誰もいないから「質問はFAXで」と言われるんですね。

ダースレイダー:あのとき鹿島さんは、「もっとデジタルな方法はないんですか?」とツッコミを入れていたんですよね。

プチ鹿島:僕らが四国新聞に聞きたかったのは、たった1つ。こんな大事なことを、本人にあてない(取材しない)で記事を書くというのは、四国新聞として、どう考えているのか。小川さんの事務所にいた年配の記者さんは、ここでは答えられない。会社に来てくれたらと言うので、では行こうと。

翌日行ってみたら「FAXで質問書をください」、ですから。こちらの想像を上回ってくるリアクションが返ってきた。

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