芸人とラッパーが「選挙」で見た"政治家の裏の顔" 「劇場版センキョナンデス」が映す政治の世界

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質問だけだったら頑張ればやれるかもしれませんが、プチ鹿島さんは、自分が映っているということをわかったうえで、芸人として候補者に迫っていく。

これはさすがに僕たちには真似ができないです。弥次喜多のような掛け合いトークも、一見ポップで軽薄にすら見えるのですが、2人とも根がマジメで、「政治」を笑い飛ばそうとする面白さがあふれ出ています。

――おふたりと大島さんはもともと知り合いなのでしょうか?

プチ鹿島:もともとは、知り合いでもなんでもなくて。こんな映画(大島監督の『なぜ君は総理大臣になれないのか』2020年公開)を観たんですけど、ダースさん観ました?と。

ダースレイダー:僕も観て面白かったと話していたのもあって。『なぜ君は』のDVDが出たときに、『ヒルカラナンデス』の特別編としてリモートで大島さんにも登場してもらって3人でDVDを観ながら、副音声みたいにして話すということをやったんです。

大島:このとき、話しながら似たニオイを感じとったんですね。これは私の人間づきあいのポイントなのですが、どんな振る舞いを恥ずべきことと思うか。そこが2人とは近いように思いました。

プチ鹿島/時事芸人。新聞14紙を購読。大阪芸術大学卒。著書に『芸人式新聞の読み方』(幻冬舎文庫)、『ヤラセと情熱 水曜スペシャル『川口浩探検隊』の真実』(双葉社)ほか。TBSラジオ『東京ポッド許可局』などに出演。(撮影:梅谷秀司)

――大島さんは、プロデューサーとして作品にどのように関わられたのでしょうか。

大島:編集からガッチリ。ダースさんから『ヒルカラナンデス』のこの回ではこういう話をしていますというメモをもらい、2人と話しあう中で詰めていきました。2人には明確に、こうしたいというのがあったので、足りないところを僕ら(技術スタッフ)がやったという感じです。

大島新/フジテレビを経てフリーとなり『情熱大陸』など数多くの番組を演出。2009年映像制作会社「ネツゲン」設立。映画監督作品に『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』。プロデュース作品に『私のはなし 部落のはなし』など。(撮影:梅谷秀司)

香川1区で取材を始める2人

――映画の前半では、2021年の衆院選「香川1区」での、候補者とおふたりのやりとりが収められています。はじめての選挙取材に香川1区を選ばれたのは?

ダースレイダー:僕らが香川に行ったのは、大島さんの『香川1区』の特報を見て、これは面白そうだと思ったからです。僕らの選挙デビュー戦はココ以外にはないだろうと。投票日の前前夜の金曜日に入り、土曜日の朝から取材を始めました(※大島監督の『香川1区』。2021年公開作品では衆議院議員の小川淳也氏と、平井卓也元デジタル大臣の戦いを追っている)。

プチ鹿島:香川1区に入って、朝8時にうどんを食べながら、『四国新聞』を読んでいたら、平井陣営の選挙戦の最後はパレードと書いてあったんです。パレードってなんだ!? 行ってみようとなって

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