打ち上げ花火1万3000発の裏方はここまで緻密だ 3年ぶり開催、NARITA花火大会に見た最新の仕掛け

拡大
縮小
NARITA花火大会
(撮影:川野 剛)
NARITA花火大会
(撮影:川野 剛)
NARITA花火大会
(撮影:川野 剛)

一尺が約30cmなので、これより大きな花火は尺玉と呼ばれる。例えば40号なら四尺玉となる。花火を打ち上げるためには保安距離が定められており、尺玉までは地上での打ち上げが可能、東京湾であれば15号まで上げられる。四尺玉は新潟県の片貝まつりで打ち上げられている。

花火の開いた直径は、4号で直径110m、5号で直径150m、10号で直径300m、40号では高さと直径が700mにも及ぶ。このため大きな花火を打ち上げるには、広い場所が必要となるのだ。

NARITA花火大会
(撮影:小平 尚典)
NARITA花火大会
高さ40mまで吊り上げられる花火タワー、今回は2基使用(撮影:小平 尚典)

音楽とシンクロする花火

近年の花火大会に欠かせないのが「スターマイン」である。スターマインとは花火の名称ではなく、打ち上げ方法の名称で連射連発を意味する。その規模は数十発から数百発に及ぶ。

今回、さらに先進的な花火タワーが披露された。円形に配置した花火をクレーンで吊り、最大高さ40mから、1000発の花火がコンピューター制御により花開いた。

NARITA花火大会
(撮影:川野 剛)
NARITA花火大会
オレンジ色のほぼ円形に見えるのが花火タワーの花火だ(撮影:川野 剛)
NARITA花火大会
フィナーレを飾った「NARITA黄金伝説」はラスト1分で1500発の花火が打ち上がる(撮影:川野 剛)
川野 剛 ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

かわの ごう / Go Kawano

大学卒業後、広告制作会社に就職するも、カナダのバンクーバー島に渡りアウトドアインストラクターの資格習得後、『BE-PAL』にてライター活動を開始する。見る、聴く、嗅ぐ、味わう、触れる五感にこだわり、モノや風景の魅力を発信。キーボードからオートバイまで人の能力を拡大してくれる道具が好き。『@DIME』『家電批評』などで執筆中。

この著者の記事一覧はこちら
小平 尚典 報道写真家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こひら なおのり / Naonori Kohira

1954年北九州市小倉北区生まれ。 日本大学芸術学部写真学科卒業後渡英し社会派写真家としてデビュー。新潮社『FOCUS』創刊メンバー、御巣鷹山JAL墜落事故写真集「4/524」を新潮社から出版。1987年から米国西海岸に移住。ロングインパクトのIT革命の時代を担うPCビジョナリーを取材。ビル・ゲイツやジョブスらを中心に新しく生まれたイノベーションを多目的に検証し、「Silicon Road」「e-face」を制作。2021年スタンフォード大学ライブラリーに全写真作品がセレクトされた。現在は東京在住。公益社団法人日本写真家協会会員、早稲田大学理工学部非常勤講師。(http://nkohira.shopdb.jp/profile.html

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT