食べログ「ワンコインランチ」の思わぬ死角 飲食店側にメリットはあるのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

果たして、このメリットは本当なのか。ワンコインランチが利用できるのは1店で1カ月1回限り。一度ワンコインで食べたものを、通常価格で食べたいと思わせるには、相当な感動やインパクトが必要となる。そもそも、ワンコインという魅力が来店動機に繋がっているため、ユーザーがそれ以上のものを求めていない傾向は強い。

外食のユーザーは、とにかく安さを求める層と付加価値を求める層に二極化している。このようなサービスは間違いなく前者をターゲットとしており、「バーゲンハンター」と呼ばれる安売りだけを目的とした客である場合が多い。数年前に流行したグルーポンをはじめとして、ネット上で割引価格や特典がついたクーポンを最長で数日という短い期間で提供する「フラッシュマーケティング」も、このバーゲンハンターにより、衰退している。

要は、まったくリピーターを生み出さなかったのだ。店側ができるだけ赤字を減らすために、通常よりランクを下げた料理を提供したり、量を減らしたりする事は、完全には防げない。そもそも、提供された料理が通常提供されているものと同じかどうかは、以前来店した経験がある人にしかわからないのだ。その典型例が、4年前にグルーポンがスカスカのおせち料理を提供して問題になった「おせち騒動」であり、同様のことが起こりかねない。

「リピーターの獲得につながっているのか?」

食べログのワンコインランチサービスを提供している店に聞いてみたところ、答えはこうだった。

「・・・それは、何とも答えられない」

三上 成文 フードアナリスト・ブランディングプランナー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みかみ しげふみ / Mikami Shigefumi
外食大手企業での現場経験を経て、広告代理店にて広告営業を経験。2009年、当時のクライアントであった外食ベンチャーにて、ブランディング/PRに携わり、自社PRだけでなく、地方自治体や他社との業務提携PRを担当。2014年12月より、海外人気店の日本展開PRに携わる。

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事