食べログ「ワンコインランチ」の思わぬ死角 飲食店側にメリットはあるのか
果たして、このメリットは本当なのか。ワンコインランチが利用できるのは1店で1カ月1回限り。一度ワンコインで食べたものを、通常価格で食べたいと思わせるには、相当な感動やインパクトが必要となる。そもそも、ワンコインという魅力が来店動機に繋がっているため、ユーザーがそれ以上のものを求めていない傾向は強い。
外食のユーザーは、とにかく安さを求める層と付加価値を求める層に二極化している。このようなサービスは間違いなく前者をターゲットとしており、「バーゲンハンター」と呼ばれる安売りだけを目的とした客である場合が多い。数年前に流行したグルーポンをはじめとして、ネット上で割引価格や特典がついたクーポンを最長で数日という短い期間で提供する「フラッシュマーケティング」も、このバーゲンハンターにより、衰退している。
要は、まったくリピーターを生み出さなかったのだ。店側ができるだけ赤字を減らすために、通常よりランクを下げた料理を提供したり、量を減らしたりする事は、完全には防げない。そもそも、提供された料理が通常提供されているものと同じかどうかは、以前来店した経験がある人にしかわからないのだ。その典型例が、4年前にグルーポンがスカスカのおせち料理を提供して問題になった「おせち騒動」であり、同様のことが起こりかねない。
「リピーターの獲得につながっているのか?」
食べログのワンコインランチサービスを提供している店に聞いてみたところ、答えはこうだった。
「・・・それは、何とも答えられない」
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