「丸暗記」至上主義では、必ず壁にブチ当たる 「イメージ化」で記憶は驚くほど定着する

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試験勉強の場合、多くの人が嫌い、もしくは苦手とするのが、「記憶」のほうでしょう。「理解」することに知的喜びを感じる人は多いと思いますが、「記憶」することに喜びを見い出す人は少数派です。ですが、「理解」と「記憶」には深い相関性があります。

ご存知の通り、「記憶」をほぼせずに試験で高い点数を取るのは不可能で、「記憶」は試験に必須の要素ですが、「理解」することで「記憶」の定着度は大幅にアップします。簡単に言えば「忘れにくくなる」のです。

これは、「理解」すると記憶対象を「イメージ化」できるようになり、そして「イメージ化」されてしまえば頭から離れにくいからです。このことをわかっていただくため、小説をイメージ化した例を挙げましょう。

外国の小説が頭に入ってこないワケ

抽象的な「鈴木太郎」という小説中の人物でも、テレビドラマ化され、実在の有名俳優が演じると、目に見える形となり「理解」でき、人物が「イメージ化」できますね。そうなると、物語が途端に頭に入ってきやすくなるのです。仮に映像になっていなくとも、「鈴木」や「佐藤」という名前や背景設定から、何らかの「イメージ化」をして小説を読んでいることがほとんどだと思います。

一方で、日本語訳の外国の小説が頭に入りにくいのは、「ラスコーリニコフ」や「ベラトリックス・レストレンジ」といった人物を、小説中の説明だけでは頭の中で「イメージ化」しにくいためです。「イメージ化」できないと登場人物の「丸暗記」になってしまい、最終的には登場人物がこんがらがり、何度も人物紹介のページに戻る羽目になります。私の持っている「罪と罰」は人物紹介の部分だけ手垢だらけです(笑)。

例でいう小説中の人物やストーリーは、試験範囲であり「記憶」の対象、映像によるイメージ化は「理解」を示しています。「理解」が進むことでイメージ化され、「記憶」が定着しやすくなるのです。

ご質問にある英語の試験の場合、専門知識を問うものではないので、英単語や英文法などの「記憶」の要素が強くなりがちですが、それでも単語の本来の意味を「イメージ化」して「記憶」しておくことで圧倒的に忘れにくくなりますし、応用も利くようになります。

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