「丸暗記」至上主義では、必ず壁にブチ当たる 「イメージ化」で記憶は驚くほど定着する

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私の例を1つ挙げましょう。高校時代に習っていた英語の先生に、授業中「鬼頭、commandってどういう意味?」と質問されたときのことです。

当時、持っていた単語帳に書いてあった訳を「丸暗記」していた私は、「『命令する』です!」と自信満々に答えたのですが、「そう、じゃあこの意味は? He commands English」とさらに聞かれて、「……(汗)」となったことを今でも覚えています。

「command」には本来、「あやつる」という意味があり、それが色々な文脈で使われる中で、「命令する」「率いる」「支配する」などと訳されます。たいていの単語帳には、代表的な訳を抜粋して「命令する」と書いてありますが、それは本来の意味ではないので、応用が利きません。でも、「あやつる」という言葉そのものではなく、「人や物が特定の対象物をうまく扱っている様子」という「イメージ」で理解していれば、状況が違ってきます。

「何となく」わかることこそ大事!

これと同様に、たとえば「on」という単語も「~の上に」とだけ理解していると、「It’s on me」のような文脈で訳せなくなってしまうので、本来の意味である「何かに付着している」という「イメージ」を持っておくことで、その場、その場で訳を考えることができるようになるわけです。

英語はこの「本来の意味のイメージ化」により、そもそも忘れにくくなりますし、仮にこれまでの訳と違う用法で使われていても、「何となく」こんな意味かな、という当たりがつけられるようになってきます。

この「何となく」当たりがつけられる、という感覚が試験では非常に重要で、「何となく」ポジティブな意味っぽいな、とわかる感覚が身につくと試験で選択肢を絞れたり、よどみなく文章を読み進められたりしますので、結果的に点数に結びつくのです。

今回は英語の例を出しましたが、そのほかの試験でも応用できる方法なのでぜひ使い倒してみてください。うまく単語を「イメージ化」して、英語を「command」しちゃってくださいね! 健闘を祈ります。

鬼頭 政人 資格スクエア創業者、弁護士

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きとう まさと / Masato Kito

1981年生まれ。開成中学、開成高校を特別優等の成績で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内の法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転職した後、22013年12月に資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業、その後、ワンストップ電子契約サービス「NINJA SIGN」(後にfreeeサインと名称変更)も創業。著書に『東大合格者が実践している 絶対飽きない勉強法』など。

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