しかし、成田さんのお子さんには、「頑張り屋さんではなく、楽しみ屋さんになろう!」と言っても響かないと思います。それだけ頑張ることに対して価値を置いている子と思われるからです。そのような子は、説得すればするほど、ますます頑張り過ぎて、自分を追い込んでしまう可能性もあります。
このような場合、本人が自覚し、現状がいかにオーバースペックで動いてしまっているかを実感できる「間接的な話」が必要になります。
そこで、お子さんには、子どもが簡単にイメージでき、しかも身近にいつも目にしているスマートフォンを例に挙げてお話をしてみるのはどうでしょうか。
身近なものを例題にして状態を説明する
この話をすると、今の自分が置かれている状態がよくわかると思います。状況が理解できれば、行動が変わっていく可能性がぐっと高まると思います。
スマートフォン(以下、スマホ)にはバッテリーがあります。日中スマホを使用すると、バッテリー量はどんどん減っていきます。夜寝るときに充電することで朝には100%になり、日中またスマホをフル活用できるようになります。
夜、充電するときバッテリー残量が70%の人もいれば、50%の人、20%の人もいることでしょう。これは日中使用するアプリの数と使用時間によります。つまり、日中、いくつものアプリを稼働したり、長時間使用したりすると、それだけ電池を消耗するため、夜にはバッテリー残量はかなり少なくなっています。
成田さんのお子さんは、このスマホのように、日中たくさんのアプリを稼働させている状態と重なります。さらに気遣いができる子ということなので、活動だけでなく意識も拡散して使っているため、その分“電池”の消耗も早いことでしょう。
さらにバッテリーにはある特徴があります。それはバッテリーがゼロになってから充電するとバッテリーが劣化するという特徴です。つまり、なかなか100%のフル充電までいかなくなるということです。
人が、疲労困憊の状態で睡眠をとっても、朝疲れが残っていて回復していない状態になることと似ています。そのような状態が続けば、日に日に回復レベルが下がっていくかもしれません。
大型のバッテリーを搭載していれば、たくさんのアプリを長時間稼働しても平気かもしれませんが、小型のバッテリーだとしたら、あっという間に消耗も早まっていきます。
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