発信するテーマは、ワーキングマザーとして感じていることや、ライフハック的な情報が中心。読書好きなので、本から得られた気づきや学びについて発信することも多く、「あのとき、こういうことを知っていたら困らなかっただろうな」と“昔の私”に向けて語るようにしている。
等身大で、生き方のヒントがちりばめられた発信内容は大きな共感を呼び、フォロワー数は右肩上がりで増えていった。
退職後は人生のサバティカルタイムに
一方、38歳のとき、長男の就学と同時に感じたのが、いわゆる“小1の壁”だった。子どもが幼いころは、お世話が中心だったが、小学生になると「学業と心のフォロー」という任務が加わった。そのうえ2歳の次男もいる状況で、働き方を見直す必要性に直面した。
だが、それはたまたま子どもの問題をきっかけに露呈しただけで、そもそも40歳を前にして、人生後半の働き方を考える時期に来ているのではないか、とも感じた。そして、自分を取り巻く状況と、目指したい働き方について深く考え、夫とも話し合った結果、自身は会社を退職し、もっと自分の裁量でコントロールできる仕事へシフトしていくこと決めた。
ただ、その仕事が何なのかは確信が得られなかった。そのため、企業の制度としてある、理由を問わない長期休暇「サバティカル休暇」を参考に、退職後1〜2年という期限を定めた「サバティカルタイム」を自主的に取ることにした。「定年のない仕事」につながる、キャリアの“種”をじっくり見つける期間にしたかったため、すぐに別の会社へ転職という選択はしなかった。
サバティカルタイムの過ごし方について、自分なりに決めたルールがいくつかある。まずは心身の健康維持のため、早寝早起きや運動習慣を心がけること。そして、報酬の額によって受ける仕事を決めないこと。逆に興味や関心がある仕事は自分から積極的に手を挙げて取りにいくこと。
「会社員のころは、無意識にいろいろなブレーキをかけていました。例えば“お金や時間がかかるから”“すぐに結果が出なさそうだから”。そういうブレーキをかける前に、まずは何でもやってみようと決めました」
退職にあたっては当然、経済的な不安はあった。そのため家計で自分が負担している金額と、それ以外にかかる金額の見込みを計算。貯金に加え、副業の不動産管理業と発信業で得られる収入を合わせれば、2年間は何とかなると道筋を立てた。
また、会社には退職後、希望すれば再雇用される制度があることを確認。サバティカルタイム後、再び会社員に戻る選択肢も残した。
「私はたまたま貯金があり、会社以外の収入経路もあったので、夫の財布を頼らずに済みました。ただ、経済的な自立が難しく、夫に金銭的な負担がかかる場合でも、それまで子育てに専念してきた妻が今後の人生を考え、サバティカルタイムを取りたいのなら、それは非難されることではないと思います。
夫が大学院に行きたい、というようなケースもあると思いますし、大切なのは長いスパンで夫婦のキャリアを見て、お互いの選択について話し合うこと」
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