運動が脳を鍛え、うつ退け、集中力上げるカラクリ 『運動脳』著者アンデシュ・ハンセン氏が明かす

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女性 ランニング
スウェーデンから来日したベストセラー書の著者に聞きました(写真:mits/PIXTA)
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運動は最強の“うつ予防薬”であり、記憶力、創造力、注意力、そして集中力を高める――。そう語るのは『運動脳』(サンマーク出版)の著者でスウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセン氏だ。脳はかつて大人になったら衰えると考えられてきたが、その後の研究で年をとっても脳細胞は増えることがわかってきた。1月21日(土)19時から放送予定の「世界一受けたい授業」(日本テレビ系列)に登場し、日本でも話題となっているハンセン氏に、運動がもたらす驚くべき脳への多様な効果について話を聞いた。

運動はうつ病に効く

――精神科医のハンセンさんが運動に興味を持ったきっかけは、クリニックで診ていた患者さんだったと聞いています。

その通りです。うつ病や不安神経症の患者さんをたくさん診ていると、運動をしている人は、半年や1年経っても診療に戻ってこないことがわかりました。それをきっかけに、運動はうつ病を予防するのではないか?と考えるようになりました。

それと、もう1つ理由があります。私は日ごろから医学の研究論文をたくさん読んでいるのですが、そのなかで運動はうつや不安から身を守るだけでなく、創造性を高め、集中力を高め、記憶力を向上させる、とても重要なものであるということを示す重要な研究を目にしたのです。

――運動がもたらす効果はそれほどすごいものなのですか?

そうです。もし運動が脳や体に与える効果を錠剤にできたら、とてつもなく売れるでしょうね(笑)。アディダスやナイキ、プーマなどのスポーツメーカーも、最近になって運動が健康にもたらす効果を紹介するキャンペーンをやっていますが、私は「創造性推進装置」とか、「不安解消剤」のようなネーミングのシューズを作ればいいのにと思っています。

――運動がうつ病に効くということについて、もう少し教えてください。

医師としてヘルスケアに携わっていると、どの患者さんにはうまくいって、どの患者さんには問題があるのか、そういうパターンが見えてきます。もちろん単なる偶然という可能性もあるので、慎重に見極めないといけないのですが、それでも運動には抗うつ薬のような効果があるのではないか?と思いました。

ただ、重症のうつ病の人は運動してはいけません。また、現在抗うつ薬を必要としている人も、医師に相談せずに薬をやめて走り始めるようなことはしないほうがいいです。

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