なんとも、文学少女があこがれそうなストーリーではないだろうか。私はこの点を考えると、「1000年経ってもオタクが考えることって変わらないんだな」と思ってしまった。
さらに孝標女のあこがれのヒロインチョイスを見るたび、「やっぱり『源氏物語』が人気になったゆえんは、ヒロインに中流階級の女が多いところなのかもしれない……」とも思えてくる。
そう、たくさんのヒロインが登場する『源氏物語』だが、「階級」に注目して読むと、実はかなり面白い。
さまざまな身分の女性が楽しめるストーリー
たしかに紫式部も受領階級(夕顔と同じ中流階級)の身分だった。高い身分の人々の恋愛だけでなく、読者に近しい身分の人々も積極的に登場させることで、『更級日記』のようにさまざまな身分の女性が楽しめるストーリーになった。
階級に注目して読む『源氏物語』は、現代的な感覚だけではわからない新しい魅力が見えてくるので、とてもおすすめの読み方なのだ。
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