39歳で「発達障害」と判明した僕が体験したこと 「洗濯機の音へのイライラ」から思わぬ診断へ
診断を受けてわかったのは、発達障害だと知ることは「自分のトリセツ(取扱説明書)」を得ることかもしれません。もちろん「あなたは発達障害です」と告げられるのは、すくなからずショックを受けます。「何年も受けいれられなかった」という当事者の声も聞いてきました。それでも生きづらさの解消は「自分自身を正しく捉えることから」とも言われています。もし「私もADHDかも」と思う方がいましたら、上図の「代表的な症例」をご覧ください。こちらはチェックリストにもなっています。読んでもらい困っていたら医療機関にご相談ください。
周囲の人の注意点と、できる支援や工夫
発達障害 その偏見は
一方で、本人の特徴をすべて「発達障害」とくくってしまうことにも抵抗があります。発達障害の名前はひとり歩きしている感もありますし、偏見につながることもあります。実際、私も差別意識を持っていました。ただし、一定の知識は持っておく必要があり、困っていたりすれば受診してみるのもいいかもしれません。また、子どもが発達障害の疑いがあれば、いっそのこと親子で検査を受けてもいいかもしれません。
一点だけご注意ください。他人に「あなたには問題があるから発達障害の検査を受けなさい」と言うのはおやめください。そう指摘する人が発達障害について学び、理解を深めて、本人との関係を考え直すべきです。くり返しになりますが診断はレッテルを貼るためのものではありません。
最後に周囲の方にお願いしたい工夫がありますので、私の例をお伝えします。私はよく鍵を持たずに家を出てしまいます。そこで妻は鍵を目立つキーホルダーとともに玄関に吊るしてくれました(写真上参照)。これで鍵の忘れ物は劇的に減りました。支援や発達障害と難しい言葉を並べましたが、本人の目線になって考えれば、ちょっとしたことで本人は大助かりです。身近な人には当事者目線での支援を。ぜひお願いいたします。(代表・石井志昂)
1982年生まれ。中学校受験やいじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクールへ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社に入社し不登校当事者や識者など400人以上に取材。現在は代表理事。著書に『フリースクールを考えたら最初に読む本』(主婦の友社)など。
不登校の関連記事
不登校からの進学 わが子と話をする際に大事な5つのテクニック
わが子の卒業式に今悩んでいる親へ 親が大事にすべきことが1つあります
子どものSOSをどうキャッチすればよいか【書籍紹介】
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら