39歳で「発達障害」と判明した僕が体験したこと 「洗濯機の音へのイライラ」から思わぬ診断へ

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新幹線に乗って コートを忘れる

以前から「私はADHDではないか」と思っていました。というのも、子どものころから忘れ物が多く、顕著なのは傘。雨の日、出かけて帰って来るあいだに傘を失くしてしまうのは、ほぼ毎度のこと。未使用のまま電車に傘を置き忘れたこともあります。ほかにもスマホや財布の忘れ物もたびたびありますし、新幹線のなかにコートを置き忘れて震えながら帰ったことも何度かあります。人からもらった本革の名刺入れをなくしてひどく怒られたこともありました。「気が散りやすい」という特性のせいか、日程調整をしくじってダブルブッキングもよくやらかします。

うっすらと自分の発達障害の可能性を疑っていたが

コロナ禍でストレス爆発

そんな私が診断を受けたきっかけは忘れ物ではなく、「洗濯機と乾燥機の音」が原因でした。コロナ禍でストレスがたまったせいか、突然ある日、洗濯機の音を聞くと耐えられないほどにイライラし、ときに大声を上げてしまうことがありました。これはマズイと思い、メンタルクリニックへ行きました。診察を重ねるうちに状況は改善していきましたが、洗濯機の音が気になることについては、医師から「発達障害ゆえの聴覚過敏かもしれない」という指摘を受けました。

驚きました。うっすらと発達障害の可能性を疑っていたものの、いざ、「かもしれない」と言われるとやはりショックだったからです。しかし、この機会に事実を知りたいと思い、検査を受けました。

モヤッとする 知能検査

検査は成育歴などを聞かれるヒアリングと、暗算や積み木問題などのテスト(知能検査)をしました。テストは臨床心理士と1対1で、問題用紙に書き込む形式ではなく、問題を口頭で聞かれ、口頭で答えます。このテストですが、受けているとすごくモヤッとします。どの問題に答えても、それが正解か不正解か教えてくれないからです。達成感もなく、言いようのない不安感に包まれます。身近な人がテストを受けていたら、終了後は気晴らしに話し相手になってあげてください。

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