業種別「新・企業力ランキング」ベスト20 2015年最新版で読み解く財務の強さ

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小売の2強争いはセブンの勝ち!

「小売業」トップはユニクロを展開するファーストリテイリング(14位)。収益性926点、安全性979点で業界他社を圧倒した。2位は衣料品ネット通販「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ(40位)。総合得点はファーストリテイリングに100点離されたものの高い成長力は健在。2015年3月期の売り上げは400億円突破、当期利益は90億円で最高益更新見込みと順調に業績を伸ばしている。

小売の巨人2社はセブン&アイホールディングス3位(総合69位)、イオン6位(129位)とセブンに軍配が上がった。特に安全性でイオン695点、セブン819点と大きな差がついた。

「不動産業」トップはサンフロンティア不動産(122位)。主力のビル再生事業が好調で2015年3月期も増収増益と好業績を持続する見込み。2位は低価格の建売住宅が中心のグランディーズ(136位)。この新興2社はいずれも成長性1000点と高い成長力を誇る。

一方で同じく2位の三井不動産(136位)、4位三菱地所(142位)の大手2社は昨年より順位を下げた。このランキングでは、不動産業は有利子負債が多いため安全性得点が若干低くなる傾向にある。総合ランキングで上位に入るためには他の業種以上に成長性や収益性でカバーする必要がある。そのため、総合100位台は高く評価できると考えてよい。

「サービス業」は「情報・通信業」と並び、総合上位企業が多い業種。1位電通(25位)、2位求人情報サイト運営のリブセンス(34位)、3位料理レシピ専門サイト最大手のクックパッド(42位)、4位日本M&Aセンター(45位)、5位地盤解析サービスなどの地盤ネットホールディングス(48位)と新興企業が目白押し。14位のキャリアデザインセンター(98位)までが総合100位内。20位のGMOアドパートナーズでも総合144位と好業績企業が多い。

さて、財務評価は企業評価の基本だが、異なる業種の企業を見る際には注意も必要だ。総合ランキングだけでなく、今回の業種別ランキングで業種内の位置づけを確認することでその企業の本当の実力がわかりやすい。

さらに、各企業の情報を公開情報や弊社の『会社四季報』『役員四季報』『就職四季報』、そして『CSR企業総覧』などで調べていくことで企業の全体像を把握しやすくなる。株式投資や就職先など企業選びの入り口の「社名を知るためのきっかけ」として「新・企業力ランキング」は役立つだろう。

岸本 吉浩 東洋経済 記者

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きしもと よしひろ / Yoshihiro Kishimoto

1996年東洋経済新報社入社。以来各種企業調査にかかわる。『CSR企業総覧』編集長として、CSR調査、各種企業評価を長年担当。著書に『指標とランキングでわかる! 本当のホワイト企業の見つけ方』など。2023年4月から編集局記者、編集委員、『本当に強い大学』2023年版編集長。

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